「凄い馬になると思います」大物牝馬との出会いにG1意識!? 昨年76勝の若武者が待望のG1初制覇へ、カギを握る2つの杉山厩舎
充実一途の若手騎手が、待望のG1制覇へ大物ゲット
「今年はぜひGIを獲りたいです」
昨年はキャリアハイの76勝、重賞4勝を挙げた充実一途の西村淳也騎手が7年目の目標とするG1獲りへ、さっそく大きな一歩を踏み出した。
7日、中山競馬場で行われたフェアリーS(G3)は、5番人気のイフェイオン(牝3歳、栗東・杉山佳明厩舎)が優勝。8枠13番からのスタートは「難しいレースになりそう」と懸念されていたが、言われていたが、スタートから好位をキープすると、最後は鋭い脚で差し切り勝ち。西村騎手の落ち着いたプレーも光った。
レース後、殊勲の鞍上は「まだまだ若くて、改善点は一杯ありますが、着実に克服していけば、凄い馬になると思います」と相棒のイフェイオンを手放しで評価。「今後はクラシック(戦線)に乗れるといいですね」と春の大舞台を見据える。
昨年は数多くの重賞レースに騎乗して4勝。いよいよトップジョッキーの仲間入りが見えてきたが「昨年は目標だったG1を獲ることができませんでしたが、今年はぜひG1を獲りたいです」と目標を掲げたように、G1では4着が2度とあと一歩及ばなかった。
また、この勝利はイフェイオンを管理する杉山佳明厩舎にとって、開業4年目にして嬉しい重賞初制覇。人馬共に大きな勝利となったが、西村騎手がG1獲りという2024年の目標を達成するためのキーマンは「もう1人の杉山調教師」ではないだろうか。
言わずと知れた、昨年のリーディングステーブル・杉山晴紀厩舎である。
西村騎手にとって大事な「2つ」の杉山厩舎
先述した通り、昨年の西村騎手のG1最先着は2度の4着だ。安田記念(G1)のガイアフォース、マイルCS(G1)のエルトンバローズはどちらも勝ち馬から0.2秒差と本当にあと一歩という惜しい内容だった。
それだけに本人も具体的になった目標へ力が入るとことだが、実はこの2頭は共に杉山晴厩舎の管理馬である。
特に明け4歳のエルトンバローズは昨年、ラジオNIKKEI賞(G3)と毎日王冠(G2)を連勝。レーベンスティール、ソングライン、シュネルマイスターといったG1級を撃破しており、今年のマイル戦線では中心視される1頭だ。
また、安田記念4着と高いマイル適性を示したガイアフォースだが、こちらの本領は中距離。特に昨年の天皇賞・秋(G1)では、前半1000mが57.7秒というハイペースだったこともあって、勝ったイクイノックス以外は後方勢が上位を賑わせた。そんな中、2番手から5着に粘ったのが本馬である。
この2頭を管理する杉山晴厩舎は昨年55勝を挙げ、開業8年目の速さで厩舎リーディングを達成したが、騎手別最多の11勝を挙げて大きく貢献したのが西村騎手だった。
エルトンバローズ、ガイアフォースという2本の剣を擁する杉山晴厩舎と、「凄い馬になる」と期待を寄せるイフェイオンを管理する杉山佳厩舎。自身が切望するG1制覇へ、カギを握っているのは「2つの杉山厩舎」との関係かもしれない。