「ダートの大物」が長期休養からついに復帰…負かした相手には後のG1馬も…怪物牝馬の走りに注目
今週から中山、京都に小倉が加わり3場開催がスタート。予想をする上では難解なイメージもある冬の小倉だが、開催を楽しみに待っていたファンも多いだろう。
14日には京都で日経新春杯(G2)、中山で京成杯(G3)が開催されるが、裏開催となる小倉の門司S(OP)には楽しみな馬が出走を予定している。
それは、デビューから無敗でダートのレースを3連勝中のデリカダ(牝5歳、栗東・吉田直弘厩舎)のことである。
同馬は2022年の伏竜S(OP)以来の出走。前走を好メンバー相手に勝利後、関東オークス(G2)への出走を目指していたが、その調整過程で左前脚屈腱炎を発症して休養していた。今回は約1年10か月に及ぶ長期休養明けの復帰戦となる。
無敗の3連勝を決めた素質馬が復帰
父パイロ、祖母にTCK女王盃(G3)の勝ち馬ラピッドオレンジを持つ本馬は、阪神の新馬戦(ダート1800m)でデビューし、2着に0.6秒差をつけて快勝。負かした2着馬は2022年のレパードS(G3)を制したカフジオクタゴンであり、デビュー時から能力の片鱗を見せていたといえるだろう。
そして2戦目の1勝クラス戦を危なげなく突破し、3戦目の伏竜Sを快勝したが、このレースに出走していたライバルは好メンバーが揃っていたのだ。
2着のノットゥルノが同年のジャパンダートダービー(G1)、3着のペイシャエスも同年ユニコーンS(G3)を制覇。4〜8着馬も現在3勝クラス以上に勝ち上がっており、直近では同レース7着馬のラインオブソウルが摩耶S(3勝クラス)を勝利し、OP入りを決めている。
注目のデリカダは昨年11月25日に栗東トレセンへ帰厩。その後も順調に乗り込み、12月21日にゲート試験を受けて合格。当初は先週のポルックスS(OP)での復帰を予定したが1週スライドしてここへ。今回は3戦3勝の和田竜二騎手から富田暁騎手への乗り替わりとなる。
とはいえ、素質馬といえども長期休養後の復帰は一筋縄ではいかない印象もある。それを裏付けたのが、先週のすばるS(L)で1番人気を裏切る5着に敗れたデシエルトだ。
デリカダと同じ5歳世代のデシエルトは、2022年のグリーンチャンネルC(L)でギルデッドミラーに勝利。ギルデッドミラーがその次走、同コースの武蔵野S(G3)で現ダート王者・レモンポップに勝利したように、デシエルトはダートのトップクラスの1頭だったが、長期休養明けは4着、5着と連敗中である。
同じくダートで無敗の続いているデリカダにとっても他人事ではない。高い素質を持っている馬だけに、あっさり克服する可能性も十分にあるが、まずは無事にレースを終えるのが最優先か。