【日経新春杯】「お年玉馬券」連発の大穴男に重賞初制覇のチャンス!乗れる若手の評判に偽りなし…理屈なら楽勝してもおかしくないアノ馬に注目
昨年の最多勝利新人騎手のタイトルを受賞した田口貫太騎手(20歳、栗東・大橋勇樹厩舎)。まだあどけなさの残る若手ながら、競馬ファンを驚かせる好騎乗で波乱を演出し続けている。
デビュー当時から“乗れる新人”がいると噂になり、密かにブレイクしていたのだが、新人賞を受賞したことで、その名はもはや全国区になった。昨年12月には、8番人気マルモリスペシャルでギャラクシーS(OP)を制して人馬ともにオープン初勝利を手に入れた。この勢いが続けば、年内の初重賞制覇も時間の問題かもしれない。
実際、年が明けても田口騎手の勢いは衰えず、新年の3日間開催でも抜群の存在感を発揮した。
初日の6日こそ馬券圏内の突入は3番人気で2着に入ったのみだったが、7日には早速二桁人気の大穴で波乱を演出。京都1R で11番人気のサンティヨンを3着に持ってくると、16頭立てのレースとなった京都4Rでは、最低人気のマイネルサンテで3着に食い込み、大穴男としてより注目を集めることとなった。田口騎手を狙って的中したファンには、ちょっとしたお年玉だっただろう。
乗れる若手が掴んだ初重賞勝ちの絶好チャンス
そんな目の離せない田口騎手に大きなチャンスが巡ってきた。14日に京都競馬場で行われる日経新春杯(G2)に出走するリビアングラス(牡4、栗東・矢作芳人厩舎)の騎乗が決まったのだ。
ちなみに田口騎手にとっては、これが3度目の重賞挑戦。初騎乗は昨年の北九州記念(G3)で2度目は阪神ジュベナイルF(G1)だった。前者は12番人気クリノマジンで12着に敗れ、後者は16番人気のニュージェネラルで17着と振るわなかったものの、今回タッグを組むリビアングラスは菊花賞(G1)で4着に入った実力の持ち主である。
これは同世代のライバルであるサトノグランツ(57.5キロ)、サヴォーナ(56キロ)、ハーツコンチェルト(55キロ)に対し、54キロで出られるのは大きなアドバンテージとなるはずだ。
■菊花賞の結果(牡馬は全馬が57キロ)
4着リビアングラス 3.04.1
5着サヴォーナ 3.04.1
6着ハーツコンチェルト 3.04.1
10着サトノグランツ 3.04.3
一般的に競馬の世界では「斤量1キロ=1馬身(約0秒2)」の差が生まれるとも言われているだけに、菊花賞のタイムを机上の計算に当てはめれば、57キロから3キロ軽くなる54キロのリビアングラスが、さらに差を広げてもおかしくはない計算ともなる。
もちろん、リビアングラスも前走のグレイトフルS(3勝クラス)で7着に完敗したばかり。G1で4着に好走した馬が、条件戦であっさりと負けていたように、競馬においてこのような理屈が通らないことは重々承知だ。
「年末に使ってから一ヶ月も経たないうちに日経新春杯に参戦してきた訳ですから、馬もまだ元気な上に陣営も前走の敗戦に納得していないということかもしれませんよ。その点、初コースに戸惑った感のある中山から、今回は好走実績のある京都。このコース替わりはプラスになりそうです。
前走の敗戦で人気が下がっているようなら、むしろ積極的に狙ってみたい1頭です。逃げる競馬で好走していた馬ですから、出来れば積極的な競馬で一発に期待したいです。田口騎手の手綱捌きにも期待ですね」(競馬誌ライター)
12日現在、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、サトノグランツが1番人気、サヴォーナが2番人気、ハーツコンチェルトが3番人気となっており、4番人気のブローザホーンまでが一桁台のオッズで拮抗している状況。リビアングラスは5番人気といえども、オッズではかなりの差が開いた。一発を狙うにはお手頃な人気薄といえるのではないか。