絶好調・坂井瑠星に続く「豪州産ジョッキー」の意地! 単勝112.6倍で重賞初勝利を飾った若手に2024年飛躍の気配

坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

年明けから絶好調の坂井瑠星騎手がまた魅せた

 21日、京都競馬場で行われた東海S(G2)は、2番人気のウィリアムバローズ(牡6歳、栗東・上村洋行厩舎)が勝利。昨年のダート王レモンポップの主戦・坂井瑠星騎手が、早くも2024年重賞初勝利を飾った。

「最後まで、手応え通りに伸びて強い内容でした」

 好調ぶりが止まらない。昨年、自己最多の107勝を挙げ、リーディング7位と2年連続でトップ10入りとなった坂井騎手。今年も勢いそのままに、ここまで13勝は堂々のリーディング2位だ。これまで重賞では2、3着止まりだったウィリアムバローズだが「ようやくタイトルを獲らせることができました」と見事に重賞初制覇に導いている。

 ちなみに昨年のフェブラリーS(G1)の覇者でお手馬のレモンポップは、すでに来月24日のサウジC(G1)挑戦が決定的。そんな坂井騎手にとって、ウィリアムバローズの勝利は渡りに船といったところか。1着馬にフェブラリーSの優先出走権が与えられる東海Sだけに、出走すれば連覇も視界に入ってくるはずだ。

主戦降板に奮起した、もう1人の”豪州産”ジョッキー

富田暁騎手

 一方、そんな東海Sから約10分前、裏開催の小倉で「意地の初勝利」を挙げたのが富田暁騎手だ。

「外枠でしたけど、この馬を信じて積極的に運ぼうと思っていました」

 レース後、そう勝利を振り返ったのは小倉のメイン豊前S(3勝クラス)だ。富田騎手が騎乗したサンライズアリオンは終始2番手をキープすると、4コーナーで早くも先頭に。「『早いかな』と思ったけど、最後まで余力がありました」と振り返った通り、1番人気に応える横綱相撲だった。

 これが嬉しい2024年初勝利になった富田騎手だが、本来であれば東海Sで坂井騎手としのぎを削っていたかもしれない。何故ならつい最近まで、ここで6着に敗れたペプチドナイルの元主戦騎手だったからだ。

 昨年は、富田騎手のキャリアにとって大きな1年だった。自己最多となる42勝を挙げただけでなく、秋にはセントウルS(G2)を単勝112.6倍のテイエムスパーダで逃げ切って重賞初勝利を飾った。

 しかし、その一方で「富田暁」の名が全国の競馬ファンにじわりと浸透したのが、重賞初制覇を飾る約1か月前に挑んだペプチドナイルとの“北海道ダート三冠”への挑戦だった。

 函館の大沼S(L)、マリーンS(OP)を連勝し、“北海道ダート三冠”に王手を掛けたペプチドナイルと富田騎手。しかし、三冠が懸かった札幌のエルムS(G3)では本来の積極的な競馬ができずに13着に大敗……。

 7年目の富田騎手にとっては重賞で初めての1番人気だったが「無理にでも、強気に悔いのないように乗るべきだった」と反省ばかりが残ってしまった。

 その後、あの敗戦を糧に重賞初制覇を飾るなど、もう1つ階段を上った感のある富田騎手。だが、ペプチドナイルとのコンビでは結果を残すことができずに、前走のベテルギウスS(L)から藤岡佑介騎手に乗り替わり……先輩が“一発回答”の勝利を飾ったことで、実質的な主戦降板となってしまった。

「完勝でしたね」

 そんな富田騎手にとって、これでオープン入りとなったサンライズアリオンは新たな相棒になるかもしれない。奇しくもペプチドナイルもサンライズアリオンもダート1800m前後を得意とする馬だけに、どこかで直接対決もありそうだ。

 実は坂井騎手と富田騎手には、オーストラリアで長期の武者修行を行ったという共通点がある。今や若手No.1といわれる坂井騎手の背中を追って、“豪州産”の後輩が2024年を飛躍の一年にする。

GJ 編集部

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