【フェブラリーS】池添謙一「完全復活」まであと一歩?ドンフランキー、ヴィクティファルスにチャンスあり
21日の東海S(G2)では、ウィリアムバローズがオメガギネスを競り落として勝利を収め、フェブラリーS(G1)への優先出走権を勝ち取った。メンバーレベル低下を嘆かれるG1を盛り上げる1頭となるか。
僅差だった3着争いをクビ差で制したのは、これがダート転向2戦目のヴィクティファルス(セ6歳、栗東・池添学厩舎)。 かつては2021年に芝重賞のスプリングS(G2)を制し、クラシック戦線に駒を進めたが、低迷を機に去勢も経験していた。
しかし、陣営の選択したダートへの転向は好結果に繋がった。昨年10月の太秦S(OP)で優勝して一発回答。7番人気だったが、ダート重賞の実績馬たちを相手に完勝と言える内容で重賞挑戦にこぎつけた。
今後を占う意味で試金石といえる出走だったが、3着なら悪くない内容だ。鞍上の池添謙一騎手は「パサパサの馬場の方が良かったかも」と振り返りつつも「今後が楽しみになる内容」と好感触だった。
この手応えを受けた陣営は、次走にフェブラリーSへの挑戦を検討しているとのこと。収得賞金の加算ができなかったことは痛いが、ダート適性の高さは疑う余地がなく、出走できればG1でも好勝負を期待できそうだ。
ただ池添騎手は、もう1頭のお手馬ドンフランキーとのコンビでフェブラリーSに参戦する情報も出たため、ヴィクティファルスの動向も気になるところ。
いずれにせよフェブラリーSは、本格的に戦線復帰してきた池添騎手にとって、完全復活をアピールするには絶好のチャンスになりそうだ。
帰ってきた池添謙一「完全復活」へ
同騎手は2022年11月、落馬で腰部を骨折し、手負いながらも昨年2月に復帰。昨年の宝塚記念(G1)はスルーセブンシーズを2着に導く好騎乗、他にもドンフランキーとプラダリアで重賞を勝利したが、肉体的には万全とは言えない状態が続いていたかもしれない。
昨年末に自身のXで手術完了を報告すると、今年初めには、身体に埋めていたボルトの写真とともに「完全完治」を報告。今年は13日から実戦で乗り始めている。
復帰初日から、自身にとって昨年10月以来となる白星をいきなり挙げると、14日の日経新春杯(G2)ではサヴォーナを2着に導き、東海Sでも先述の通り3着と健闘した。重賞Vまではあと一歩だが、怪我の完治もあってか復調気配がうかがえる。
前回のG1勝利はソングラインで制した22年の安田記念(G1)。昨年はG1未勝利に終わった池添騎手だが、フェブラリーSで今年の初G1勝利を手に入れられるか。