今年の桜花賞は「直行の三強」でもう決まり? 女王レガレイラは牡馬クラシック挑戦、存在感薄れていくトライアルの存在

アスコリピチェーノ 撮影:Ruriko.I

 29日に東京都内で「2023年度JRA賞」の授賞式が行われ、昨年の最優秀2歳牝馬アスコリピチェーノ(牝3、美浦・黒岩陽一厩舎)は、北村宏司騎手とのコンビで桜花賞(G1・4月7日)に直行することが分かった。

 本馬に関しては馬の状態はともかく、レース中のアクシデントによる負傷で療養中の主戦の回復具合が心配されていたものの、どうやら間に合いそうという話らしいので一安心である。

問われるトライアルレースの存在意義

 その一方で、近年のG1レースでは本番前に一戦を挟まないまま、直行で結果を残すケースが増えてきたことも大きな特徴だ。

 一昔前なら休み明けを一度叩いて状態を整えるパターンが一般的だったのだが、外厩施設の充実や調教技術の進歩が直行でも苦にならない仕上げを実現したのだろう。

 ネットの掲示板やSNSなどでは、調教師のことを“エサやり師”と揶揄する過激なファンもいるようだが、それは表面的な部分のみを見ているからだ。騎手と同様に調教師のリーディング争いでは、敏腕と評される調教師が上位にランクインしていることも事実。今も昔も「厩舎力」抜きで好成績は残せないはずだ。

チェルヴィニア 撮影:Ruriko.I

 また、アスコリピチェーノだけではなく、昨年のアルテミスS(G3)を優勝したチェルヴィニア(牝3、美浦・木村哲也厩舎)も桜花賞への直行を表明済み。オークス(G1)でシンハライトの2着に入った母の血からも、距離が延びてよさそうな馬である。本馬が桜花賞を勝つようなら春の二冠に大きく前進するだろう。

 というのも、先述したアスコリピチェーノも、同じく間に合えば桜花賞直行を予定しているボンドガールもマイルがベストのダイワメジャー産駒だからだ。桜の舞台は距離適性で優勢かもしれないが、オークスならチェルヴィニアに一日の長を期待できそうだ。

 有力視される3頭がトライアルレースを使わないため、クラシックを目指す他のライバルとしては、優先出走権を取りやすくなりそうだが、三強の壁は思いのほか高く厚いかもしれない。

 いずれにしても今年の3歳世代も牡馬より牝馬に期待馬が多そうな雰囲気である。存在感が薄れつつあるトライアル組からも、将来のスター候補登場に期待したい。

GJ 編集部

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