【きさらぎ賞】「父の勝ち方はイクイノックスのよう」亡き友の思いを胸に挑む大一番!「58戦2勝」の不振も…ベストフレンドから託された素質馬で狙う初重賞勝利

撮影:Ruriko.I

 2月4日の京都競馬場で行われるきさらぎ賞(G3)。過去には『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でもお馴染みのスペシャルウィーク、ナリタトップロード、ネオユニヴァースらを輩出したステップではあるが、近年の優勝馬は2016年のサトノダイヤモンドを最後にクラシック勝利から遠ざかっている。

 今年のメンバーも重賞勝ち実績のある馬が不在であり、どの馬が勝っても不思議ではない顔触れとなりそうだが、注目したいのは新馬勝ちからの連勝を狙うビザンチンドリーム(牡3、栗東・坂口智康厩舎)だ。

 デビュー戦の手綱を取ったのは既に帰国したB.ムルザバエフ騎手だったが、今回はR.ピーヒュレク騎手との新コンビ。同じドイツを拠点にしている2人は公私でも仲がいいらしく、ピーヒュレク騎手はムルザバエフ騎手のことをベストフレンドと話す間柄である。

亡き友とベストフレンドの思いを胸に挑む重賞初制覇

 また、『netkeiba.com』で公開されているコラム「今週のFace」にて、初めて短期免許で来日した日本競馬や亡き友のF.ミナリク騎手や、ビザンチンドリームとその父であるエピファネイアの話にも触れていた。

 詳細については本記事をご覧いただきたいのだが、ピーヒュレク騎手と日本の橋渡し的な存在となったのは、昨年亡くなったミナリク騎手だという。同騎手を介してムルザバエフ騎手やC.ルメール騎手との交友関係も広がった。

 もちろん、前走で手綱を取ったムルザバエフ騎手からビザンチンドリームの特徴や癖を聞き、早速追い切りで跨った際に意識して、相手を交わしても気を抜かないように気をつけて騎乗したらしい。

 さらに、同馬の父であるエピファネイアから受けた衝撃についても語っていた。C.スミヨン騎手とのコンビで4馬身差の楽勝を飾った2014年のジャパンC(G1)には、ミナリク騎手がドイツ馬のアイヴァンホウに騎乗して6着に敗れている。当時、攻め馬担当として来日したレースでエピファネイアの勝利を目撃し、その驚きは昨年のジャパンCを制したイクイノックスのようだったと振り返ってもいる。

 きさらぎ賞でコンビを組むビザンチンドリームは、31日に栗東のCWコースで相手を2馬身ほど先行させて併せ馬を行い併入。6F86秒4ーラスト1F11秒6と上々の動きを披露した。後はレースを待つばかりだ。

「デビュー戦の勝ち時計こそ目立ちませんが、スローペースを後方からただ1頭物凄い脚で伸びてきたのを覚えています。ゴール前で余裕を残したまま2着馬に3馬身差の大楽勝。このレースは前残りだったこともあって、2~4着馬は道中で3番手以内の馬で2着馬の上がりも3位の35秒0というもの。

これに対しビザンチンドリームのそれはなんと33秒9。前の馬が止まって見えたのも当然でしょう。レースのラスト3Fも11秒7ー11秒5ー11秒3の加速ラップ。ノーザンファーム生産の素質馬ですから、まだまだ奥がありそうですよ」(競馬記者)

 亡くなったミナリク騎手が日本との縁を紡いでくれただけでなく、今回コンビを組むパートナーはベストフレンドのムルザバエフ騎手から引き継いだ経緯もある。日本で4週間騎乗したピーヒュレク騎手だが、まだ58戦2勝と物足りなさが残る。重賞を制することで彼らへの恩返しとしたいところだ。

GJ 編集部

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