武豊「コンビ初重賞V」名オーナーと24年ぶりきさらぎ賞制覇へ。「病院」で初タイトル見届けた名伯楽は2月一杯で定年

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 2月4日に行われるきさらぎ賞(G3)。過去の勝ち馬にダービー馬スペシャルウィークや春二冠のネオユニヴァース、菊花賞馬ナリタトップロードにサトノダイヤモンド、アサクサキングスなど多くの名馬が名を連ねる。

 今後の出世に向けた重要レースの1つとしても知られる舞台に、武豊騎手との新コンビで臨むのがブエナオンダ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。

 昨年10月の新馬戦で川田将雅騎手を背に4馬身差の圧勝劇を飾った。京都・芝2000mで残り6ハロンから加速ラップが刻まれた初陣を突き抜けての勝利は、同舞台を勝利した父リオンディーズの新馬戦を彷彿とさせるものもあった。

 管理する須貝師も「春を意識している」と力を込めたブエナオンダは2戦目、約2週間前に開催された若駒S(L)に出走。初戦に続き2番人気に推されたが、最後の直線で伸びを欠いて3着。惜しくも新馬戦からの連勝を逃している。

 ただ2コーナー付近ではかなり持って行かれているシーンも見られ、レース後には川田騎手も「若さが全面に出た」と話しただけに巻き返しの余地は残っている。今回は武豊騎手の手腕に期待したいところだ。

 そのレジェンドだが、きさらぎ賞はここまで歴代最多となる6勝をマークした得意のレース。ちなみにブエナオンダを所有する金子真人オーナーとのコンビでは、シルヴァコクピットで2000年に制している。

 シルヴァコクピットは、有馬記念(G1)を連覇し1999年のJRA賞特別賞にも選ばれた怪物グラスワンダーと同じシルヴァーホーク産駒であったこともあり、当時注目を集めていた1頭。同年にデビューして3戦1勝で3歳時(当時)を終えると、年明けから武豊騎手と新コンビを結成。福寿草特別(500万下・当時)を単勝1.2倍の断然人気に応えて勝利し、続くきさらぎ賞も好位から押し切って優勝した。

 武豊騎手と金子オーナーのコンビといえば、G1・7勝のディープインパクトや砂の怪物カネヒキリなどJRA重賞25勝を数える名コンビだが、実はシルヴァコクピットで勝ったきさらぎ賞がコンビでの記念すべき初重賞制覇でもあった。

「病院」で見届けた名伯楽は2月一杯で定年

「シルヴァコクピット懐かしいですね。2000年のきさらぎ賞は同馬を管理していた安田隆行調教師にとっても開業6年目にして嬉しい初重賞勝利だったんですよ。

厩舎待望の初タイトルだったのですが、当時の安田隆師は調教で馬に振り落とされたことで足を骨折してしまい入院中。そのためシルヴァコクピットの勝利は病院のテレビで見届けたとのことです。

それから約24年の月日が流れた今年。先週終了時点でJRA通算965勝、重賞59勝を積み上げた名伯楽の安田隆師も、早いもので2月一杯をもって定年を迎えます」(競馬誌ライター)

 ちなみにシルヴァコクピットは次戦の毎日杯(G3)も優勝し、NHKマイルC(G1)の有力候補とされていたものの、骨折が判明。9ヶ月弱の休養を経て復帰したが、その後は白星を挙げることなく現役を退いている。

 果たして武豊騎手は、金子オーナーとのコンビで24年ぶりのきさらぎ賞制覇となるか。牡馬クラシック路線にはすでにエコロヴァルツ、サンライズジパングといったお手馬もおり、結果次第では嬉しい悲鳴を上げることになりそうだ。

GJ 編集部

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