藤田菜七子「37連敗」遠い2024年初白星、来月には「後輩女性騎手」がデビューも…今週末は期待馬スタンバイでチャンスあり?
2024年度の新規騎手免許の合格者である8名が先日、JRAから発表された。中でも注目の1人が紅一点となる大江原比呂騎手だろう。
史上13人目のJRA女性騎手として来月にデビューを控える大江原比騎手は、父の大江原勝氏が美浦・蛯名正義厩舎に所属する現役の調教助手。祖父が重賞ウイナーのタケミカヅチなどを管理した大江原哲元調教師で、大江原圭騎手が父のいとこにあたる。
競馬一家出身の大江原比騎手は、留年という苦い経験を味わったものの、無事に騎手としてのスタートラインに立つことができて、まずはほっとした様子。美浦の武市康男厩舎所属で、目標にする騎手は内田博幸騎手とのこと。「多くの関係者から信頼され乗せたいと思われる騎手になりたい」と抱負を語っており、勝ちたいレースは日本ダービー(G1)のようだ。
その一方、同じ関東所属の女性騎手で、今年キャリア9年目を迎えた藤田菜七子騎手は、ここまで白星なしとやや苦戦を強いられている。
これまでJRA女性騎手として初となる重賞制覇、通算100勝など金字塔を打ち立ててきた。2024年の初騎乗となった先月6日の中山3R、騎乗馬のソウテンノヒカリは1番人気の支持。幸先の良いスタートを切るチャンスだったが、11着に敗れると、その後もなかなか勝ち星を挙げられず、気づけば今年37連敗となっている。
なお今年に入ってからのJRA女性騎手は、小林美駒騎手がここまで4勝を挙げる活躍。永島まなみ騎手が3勝、今村聖奈騎手もすでに白星を挙げているだけに、先輩であり最年長となる藤田騎手もそろそろ勝ち星を手にしたいところだろう。
今週末は初白星のチャンスか
「なかなか初勝利を挙げられない藤田騎手ですが、ここまで2着1回3着3回と惜しいレースもあることから、決して乗れていないわけではないと思います。
今週は土日合わせて計10鞍に騎乗予定。中でも日曜小倉6Rの3歳未勝利に出走するコスモララバイは、前走も藤田騎手が手綱を取り僅差の3着に好走。ここまでの3戦ですべて4着以内といつ順番が来てもおかしくないことから、ここは初白星を挙げるチャンスでしょう。
また土曜は東京で騎乗を予定しており、2Rの新馬に出走するビーチパトロール産駒のチャコールアニー、6Rのジャジャウマアスクも面白そうな馬です」(競馬誌ライター)
ちなみに先述の大江原比騎手は、中学1年生のときに当時JRAで唯一の女性騎手として活躍した藤田騎手の姿を見てジョッキーを志したという。果たして後輩の手本になるような手綱さばきで、今年の初白星を掴み取ることができるだろうか。