「35年間勝ち馬なし」サリエラのダイヤモンドS挑戦で思い出される「兄」の迷走…C.ルメールと再コンビ、得意の東京コースで好走なるか
17日に行われる東京・芝3400mの長丁場、ダイヤモンドS(G3)。登録馬10頭の中で実績・人気ともに最上位は、2年前の同レースを制し、前走はステイヤーズS(G2)2着のテーオーロイヤルと目される。
次に人気を集めそうなのが、重賞勝利こそないが能力は高いサリエラ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。前走のエリザベス女王杯(G1)は6着だったが、上がり3ハロンは最速タイ、勝ち馬とは0.3秒差と悪くない内容だった。
体質の問題で5歳馬ながらキャリア7戦だが、ローズS(G2)2着、目黒記念(G2)3着で素質は証明済み。あとは重賞タイトルが欲しいところだ。
しかし今回は、2200mの前走から一気に6ハロン延長しての3400m戦。過去のレースでは勝負どころでズブい面を見せていたものの、スタミナについては未知数。管理する国枝師は「長いところの適性はあると思う」と自信をのぞかせるが、今回は厳しい戦いを強いられるかもしれない。
というのも、ダイヤモンドSで牝馬の勝ち馬は35年間出ていないからだ。当然走ってみないと分からないものの、重賞級のステイヤーといえばほとんどが牡馬である。
サリエラといえば、G1馬サリオスや有馬記念(G1)2着サラキアらを兄姉に持つ良血馬。兄のサリオスは現役時代、皐月賞(G1)、ダービーで2着の実績があったが、古馬になるとマイル路線を中心に使われなかなか勝ちきれず、高松宮記念(G1)では15着に大敗するなど、どことなく迷走が続いていた印象もあった。サリエラも仮にここで結果が出ないとなると、兄と同じように迷走するかもしれない。
東京コース、C.ルメール騎手と再コンビは好材料か
ただサリエラは今回、過去7戦中5戦でコンビを組んでいるC.ルメール騎手との再コンビで臨む。昨年の全国リーディングジョッキーは本レースでも過去6年で「1-0-2-0」の実績、「長距離は騎手」という格言に従えばパートナーとして心強いことこの上ない。
また、馬自身もキャリア3勝はすべて東京コース、目黒記念でも敗れはしたが、1着とは0.1秒差の3着と健闘していた。
先週は全兄のエスコーラが洛陽S(L)、半妹サフィラがクイーンC(G3)で敗れてしまったが、一族のリベンジもかけて、サリエラは好走を見せられるだろうか。