イクイノックス、ドウデュース倒した実力証明に最適?「ツイていない男」に状況が好転…栄冠つかんだ「思い出の舞台」で皐月賞馬に激走の予感

イクイノックス 撮影:Ruriko.I

 初G1勝利を挙げた2年前の天皇賞・秋(G1)から始まった快進撃を6連勝で飾り、世界最強馬の名に恥じない走りを披露したイクイノックス。昨年のジャパンC(G1)優勝を機に現役を引退し、種牡馬入りが決まったスーパーホースの種付け料は、まだ産駒がデビューしていない段階で、内国産馬の初年度種付け料としては史上最高額の2000万円(受胎条件)に設定された。

 これは父キタサンブラックと並ぶトップタイ。これだけ強気な価格設定ながら既に満口というのだから驚きだ。

 また、イクイノックスのラストランとなったジャパンCで4着に敗れたものの、暮れの有馬記念(G1)で華々しい復活勝利を挙げたのが、ライバルのドウデュース。秋2戦は思わぬアクシデントで武豊騎手が不在の敗戦だったものの、パートナーの実力を誰よりも知る主戦の復帰が失地回復に繋がった。

あのイクイノックスやドウデュースを倒した実力馬に激走の予感

ジオグリフ 撮影:Ruriko.I

 しかし、そんな歴史的名馬の2頭ですら皐月賞(G1)で敗れた過去を持っていることは周知の通り。当時の超大物たちをまとめて負かした馬がジオグリフ(牡5、美浦・木村哲也厩舎)である。

 このときジオグリフを操ったのは、まだ現役だった福永祐一騎手(現調教師)。ゴール前でイクイノックスとの叩き合いを制し、ドウデュースの追い上げも凌いだ巧みな手綱捌きは、本人にとっても会心の神騎乗だったに違いない。

 とはいえ、次走の日本ダービー(G1)以降で同世代の強敵とは、戦績で大きな差がついた。直接対決でも連戦連敗を喫した結果、芝ではなくダート転向も決断したが、ここまで4戦して4着が最高。ついには一部のファンから、「なぜイクイノックスやドウデュースに勝てたのだろう」と不思議に思う声すら出ているのが現状だ。

 そんな悩める皐月賞馬が今年の始動戦に選択したのは、25日に中山競馬場で行われる中山記念(G2)の舞台。21日現在で『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、ジオグリフは12番人気の想定となっている。もしイクイノックスやドウデュースが出走していれば、断然人気を集めると考えられるだけに、彼らを破ったことのある馬としては、いくら近走が不振だったとしても軽視され過ぎの感はある。

 その一方で激走の予感が全くないという訳でもない。実はジオグリフが中山コースを走るのは、アノ皐月賞以来となる2度目。かつて栄冠をつかんだ思い出の地で久々の勝利の美酒に酔う可能性も十分にありそうだ。

 中間の気配が悪くないのも復調を感じさせる。21日の追い切りは美浦のWコースで3頭併せを敢行して6F84秒9-ラスト1F11秒4の好タイムをマーク。陣営によると「気持ちで走るタイプ」だけに休み明けも苦にしないだろう。

 そして今回手綱を取るのが初コンビの戸崎圭太騎手である点も心強い。今年のフェブラリーSでは、かつて騎乗したこともある有力馬が複数いながら、最終的に騎乗依頼がないまま見学。東海S(G2)で騎乗したオメガギネスまでC.ルメール騎手に乗り替わる不運も経験した。

 だが、ルメール騎手が手綱を取ったオメガギネスはフェブラリーSで大敗。このまま“ツイてない男”で終わらなかったことは、戸崎騎手にとって状況が好転したといえるのではないか。鞍上は共同通信杯(G3)を制して好調。週末の天気も崩れそうなだけに、先週に続いて中山記念も波乱の予感がする。

GJ 編集部

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