【高松宮記念】「タナボタ勝利」横山武史と「持ってない」菅原明良で明暗…トウシンマカオ参戦でも「いいとこ取り」に成功したのは?

菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I

 関係者の間で「持ってない男」と話題になっているのが関東の菅原明良騎手だ。

 先週のオーシャンS(G3)でトウシンマカオに騎乗を予定していたものの、盲腸で急遽の乗り替わりを余儀なくされた。予想外の不運に見舞われてコンビ継続がご破算になっただけでなく、パートナーは横山武史騎手の代打騎乗で勝利した。その他にも確勝級だったペイシャニットも横山武騎手とのコンビで勝利。結果のみを考えると2勝するチャンスをみすみす逃がしてしまった計算だ。

「近年はコンスタントに年間70勝以上をマークするなど、頭角を現していた菅原騎手ですが、今年は未だに7勝と勝ち星が伸び悩んでいます。所属する高木登厩舎もウシュバテソーロこそ目立っていますが今年はまだ1勝と不振。このあたりもペースが上がらない理由のひとつかもしれません。ただ、ブローザホーンで日経新春杯(G2)を制したように腕は確か。巻き返しに期待したいところですね」(競馬記者)

幸運引き寄せた横山武史と持ってない菅原明良で明暗

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 そんな菅原騎手の不運をチャンスに変えたのが、前述の2頭で2勝を挙げた横山武騎手である。トウシンマカオが回ってきたオーシャンSは当初、モリノドリームで参戦を予定していたものの、除外が濃厚で騎乗馬なしの状況からタナボタ的にお鉢が回ってきた。

 また、ペイシャニットの未勝利戦もたまたま横山武騎手が空いていたという理由で騎乗依頼が転がり込んできた。少し前には、一歩間違えれば重傷を負っていた可能性すらある落馬を経験しながらほぼ無傷で済んでいる。翌日のフェブラリーS(G1)は最初から騎乗予定もなくダメージは最小限。翌週のサウジ遠征も元気にこなしていたのだから、なかなかの強運の持ち主といえるのではないか。

 好対照の結果となった両者だが、関係者からは不運が続いた菅原騎手のメンタルを心配する声も出始めたという。

「色んなタイプのジョッキーがいますが、菅原騎手はその日のメンタルで好不調の波があるタイプ。気持ちが落ち込んでいるときは、レースでも引きずって成績が落ちる傾向が見られます。師匠の高木調教師は弟子の指導には厳しく、騎乗ミスのお説教をされた後なんかは、菅原騎手の表情が曇ります。そんなときは、大抵その後のレースでさっぱりということも珍しくないです」(別の記者)

 その反面、納得のいく騎乗で勝利をあげるなど、きっかけを掴むとノリノリになるらしく、かつて1日6勝を挙げた絶好調時には、レース前に「このレース多分勝ちますよ!」と断言したこともあれば、レース後にも「ビクトリーロードが見えるんですよね」とメディアに自信満々のコメントを出すこともあった。

 過去にそんなエピソードを持つ菅原騎手だからこそ、精神面の心配をする声も出たようだが、売り出し中の同騎手にとっても今年は勝負の年。まだ3月が始まったばかりのタイミングだけに再浮上の機会はまだまだ訪れるだろう。

 その一方で、横山武騎手の代打でオーシャンSを勝利したトウシンマカオの陣営が、C.ルメ―ル騎手との新コンビで高松宮記念(G1)に出走を予定していると発表。結局のところ、いいとこ取りに成功したのがルメール騎手というオチは、現在の乗り替わり事情を象徴するかのような結末だったのかもしれない。

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