競馬ファン驚愕の“鬼ローテ”で5歳馬が中央初勝利!伝説の阪神大賞典で注目集めたオルフェーヴルの産駒に新たな個性派が登場!?

撮影:Ruriko.I

「おっと、オルフェーヴル失速!オルフェーヴル失速していきます!馬場の外目を通ってオルフェーヴル……」

 世紀の大逸走が伝説と化したあのレースから12年が経とうとしている。それは2012年3月18日、阪神競馬場で行われた第60回阪神大賞典(G2)のことだ。

 このレースで単勝1.1倍の断然人気に推されていたのが前年の三冠馬に輝いたオルフェーヴル。同年の有馬記念(G1)で古馬を一蹴し、現役最強馬へと上り詰めた「金色の暴君」の勝利を誰もが信じて疑わなかった。

 しかし、2周目の3コーナーで思わぬハプニングが発生する。道中を抑え切れない勢いで先頭に立ったオルフェーヴルは、外ラチ沿いへ大きく逸走。そのまま急失速し、後方3番手まで位置を下げてしまったのだ。冒頭の実況はその時のものだが、最悪の事態が脳裏をよぎった多くのファンが悲鳴にも近い声を上げていたのは想像に難くないだろう。

 ところが、10馬身差以上のロスがありながら、オルフェーヴルは驚異の挽回を見せる。3~4コーナーの中間地点で再び馬群に取り付くと、外々をマクリ気味に進出。直線を向いた時は再び先頭に躍り出る勢いで追い上げてきたのだ。

 結果的に一足先に抜け出したギュスターヴクライが勝利を収め、オルフェーヴルは半馬身差の2着に敗れたが、その破天荒さを語る上で、2012年の阪神大賞典は代表的なレースとなっている。

 他にも、デビュー戦勝利後と、三冠を達成した菊花賞(G1)の入線直後に池添謙一騎手を振り落とし、逸走した阪神大賞典後の天皇賞・春(G1)で11着に惨敗→宝塚記念(G1)で復活勝利を挙げるなど、本馬の型破りなエピソードは枚挙にいとまがない。

 引退後に種牡馬としても頂点を極めたとはいえないものの、初年度産駒からラッキーライラックとエポカドーロという2頭のG1馬を輩出。ウシュバテソーロとマルシュロレーヌが海外のビッグタイトルを獲得している。

 他にもジャスティンやヘリオスといった短距離ダート馬がいるかと思えば、シルヴァーソニックやアイアンバローズといった芝の長距離馬まで、馬場・距離・場所を問わない実に個性豊かな産駒がそろっている。

オルフェーヴルの産駒に新たな個性派が登場!?

 そんなオルフェーヴルの産駒に新たな変わり種が登場したので紹介したい。

 それが、先日の9日中京7R・1勝クラス(芝2200m)を勝利したバンフィエルド(牡5歳、栗東・緒方努厩舎)だ。

 2歳の秋に福島でデビューした同馬は、3歳夏にかけて2000m以上の距離で5連敗。しかもそのすべてが7着以下という厳しい船出だった。

 ところが岩手競馬に移籍して出直しを図ると、4歳春から同地で6連勝するなど、10戦6勝の成績を引っ提げて、昨年暮れに再び中央に舞い戻ってきた。

 再転入後はまたも連敗を喫していたが、先週末のレースで待望の中央初勝利。2月25日から“3連闘”を実らせてのものだった。

「普通は連闘と聞くと、北海道や小倉での滞在競馬をイメージします。レース間の輸送がなく馬体を維持しやすいため、連闘のダメージもそれほどありません。ところがバンフィエルドは小倉→阪神→中京と全て違う場所での3連闘。当然、輸送も伴ったのですが、逆にこの強行ローテがいい方向に出たのかもしれませんね」(競馬誌ライター)

 珍しいローテーションで挙げた待望の勝利には、SNS上などで「ウイニングポストでもやらんぞこんな鬼畜ローテ」「場所も違うし、芝→ダート→芝ってもうわけわからん」といった驚きの反応が競馬ファンから上がっていた。

 中央ではデビューから9戦全て5着以下に敗れていたバンフィエルド。今回は3場で3連闘の荒療治が見事に嵌った格好だが、好位追走から豪快に突き抜けたレースぶりは上のクラスでも十分通用するはずだ。

 “鬼の強行軍”がブレイクのきっかけとなるのか、オルフェーヴル産駒の新たな個性派の次走にも注目したい。

GJ 編集部

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