【日経賞(G2)展望】ボッケリーニ浜中俊、高松宮記念へ「景気づけ」の勝利なるか?大阪杯と「両睨み」リカンカブール出走なら2強形成
23日、中山競馬場では天皇賞・春(G1)のステップレース、日経賞(G2)が行われる。同じ時期にドバイワールドカップデーが行われることに加えて、大阪杯がG1に昇格したここ数年は好メンバーが集まりにくくなっているが、今年も例外ではないようだ。
そんな中で主役候補と呼べそうなのが重賞3勝の実績を誇るボッケリーニ(牡8歳、栗東・池江泰寿厩舎)である。すでに8歳を迎えたが、まだまだ衰える気配を見せていない。
当レースには3年連続の出走で、過去2年はいずれもタイトルホルダーの2着に敗れていた。しかし、同馬が不在の今年は絶好のチャンスといえそうだ。
昨年の当レース2着後には鳴尾記念(G3)を制覇。春の大一番となった宝塚記念(G1)は7着に敗退したものの、秋の始動戦・京都大賞典(G2)でクビ差の2着。さらにチャレンジC(G3)とアメリカジョッキークラブC(G2)はどちらもハナ差の2着と惜敗が続いている。
1番人気が濃厚の今回はメンバーも手薄で、惜敗続きにピリオドを打つ絶好のチャンス。鞍上を務めるのはかつてのリーディングジョッキー浜中俊騎手。ナムラクレアと臨む高松宮記念(G1)を翌日に控えて景気づけの勝利を挙げておきたいところだろう。
ボッケリーニを追う2番手グループは混戦模様だが、翌週の大阪杯(G1)と両睨みのリカンカブール(牡5歳、栗東・田中克典厩舎)が出走してくれば、1番人気を争う存在になるかもしれない。
昨年3月に2勝クラスを勝利したリカンカブール。9月には半年ぶりの実戦で3勝クラスも勝ってオープン入りを果たした。
その後は12月のチャレンジCで7着に敗れたが、年明け初戦の中山金杯(G3)を5番人気で制覇。同レースでは初コンビの津村明秀騎手を背に好位4番手を追走すると、直線でうまく外に持ち出して差し切り勝ちを収めた。
すでに5歳とやや遅咲きの部類に入るが、キャリアはまだ10戦と使い減りしていない。津村騎手も前走後に「精神面もまだ幼いところがあったり、若い感じは残しています。これからもっと良くなる」とコメントしており、伸びシロはたっぷりありそうだ。
リカンカブールが大阪杯に向かうようならヒートオンビート(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)が対抗格に浮上する。
過去2年も当レースに出走し、2年前が2番人気で3着、昨年は4番人気で6着。昨年はその後の目黒記念(G2)をトップハンデ58kgで制し、重賞初勝利を挙げた。
秋はボッケリーニと同じ京都大賞典で始動したが、直線で不利もあって9着に敗戦。叩き2戦目のアルゼンチン共和国杯(G2)は59kgを課せられたが、3着に入り改めてその実力を示した。
そして暮れの大一番、有馬記念(G1)に駒を進めたが、さすがに相手が悪かった。中団やや後方からレースを進めたが、最下位16着に大敗を喫している。
7歳初戦を迎えるが、追い切りでは2週連続で好時計を叩き出すなど出撃準備は整った。石川裕紀人騎手と2度目のコンビで今年の始動戦を勝利で飾りたい。
マイネルウィルトス(牡8歳、栗東・宮徹厩舎)はボッケリーニと同じ世代の古豪。オープン入りが5歳春とこちらも遅咲きで、すでに40戦のキャリアを誇る。
重賞では13戦して未勝利だが、2着が4回、3着も1回ある。堂々の1番人気に支持された前走のAJCCは、まさかのハナを切る展開。淡々とした流れを作り出したが、格好の目標となってしまい5着に敗れている。
今回は最も実績がある2500mに距離を延長。前走のように厳しいマークを受けることもないだろう。引き続き横山武史騎手とのコンビで悲願の重賞初制覇を狙う。
地元の関東勢で有力視される1頭がクロミナンス(牡7歳、美浦・尾関知人厩舎)だ。
長らく3勝クラスで停滞していたが、2走前に勝利を挙げてようやくオープン入り。さらに昇級初戦で重賞のAJCCに果敢に挑戦すると3着に入り、このクラスでも通用するところを見せた。
ロードカナロア産駒だが、距離延長時に「2-1-1-1」の好成績を残しており、初の2500mもあっさりこなしてしまうかもしれない。
この他には3歳時にきさらぎ賞(G3)を勝利し、昨年の京都記念(G2)でドウデュースの2着に好走するもその後が振るわないマテンロウレオ(牡5歳、栗東・昆貢厩舎)、好メンバーがそろった前走のジャパンCベストレース記念(3勝クラス)を快勝してオープン入りしたシュトルーヴェ(セ5歳、美浦・堀宣行厩舎)なども馬券圏内に食い込む力は持っている。
天皇賞・春だけでなく、宝塚記念や秋の中長距離路線を占う上でも注目したい一戦。日経賞は23日の15時45分に発走を予定している。