【毎日杯(G3)展望】C.ルメール×木村哲也「チーム・イクイノックス」の大物VSシンザン記念覇者ノーブルロジャー! 日本ダービー登竜門に素質馬が続々
23日、阪神競馬場では毎日杯(G3)が行われる。上位馬に優先出走権が付与されるトライアルではないが、過去20年間でこのレースと日本ダービー(G1)の両方を制した馬がキングカメハメハ、ディープスカイ、キズナ、シャフリヤールと4頭もいる。まさにダービーへの登竜門と呼んでいいだろう。
そんな出世レースで主役を張るのは、メンバーで唯一の重賞ウイナーでもあるノーブルロジャー(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)か。
昨秋の東京芝1600mでデビューすると、2番手から抜け出す隙のない競馬で初陣V。石川裕紀人騎手から川田将雅騎手に乗り替わって迎えた2戦目のシンザン記念(G3)では、キャリア1戦の身でエコロブルームとショーマンフリートに次ぐ3番人気に推された。
レースでは序盤に行き脚がつかず中団を追走。馬群に包まれてゴチャつくシーンもあったが、勝負所で上手く外に持ち出すと、最後の直線で大外を回って鋭伸。内で抵抗する各馬に並ばれることなく、最後は2着馬に1.1/4馬身差をつけて2連勝を飾った。
同じパレスマリス産駒で朝日杯フューチュリティS(G1)を勝ったジャンタルマンタルと比較されることも多いが、同馬は年明け初戦の共同通信杯(G3)でジャスティンミラノの2着に完敗している。
ノーブルロジャーにとっても初となる1800m戦への対応がカギとなりそうだ。結果次第でクラシック挑戦か、それともNHKマイルC(G1)に向かうか陣営の判断が問われることになるだろう。
ノーブルロジャーに初黒星をつけるとすれば、ニュージーズ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が最右翼だ。
シルクレーシング×木村厩舎×C.ルメール騎手は、イクイノックスを筆頭にここ数年で多くの活躍馬が出ている。本馬はまだキャリア1戦ながら、その能力はG1級という声も上がっているほどの大器だ。
デビューしたのは昨年暮れの中山・芝2000m。追い切りでひと際目を引く動きを披露しており、当日は単勝1.7倍の1番人気に支持された。
スタートを決め先行集団で折り合って末脚を温存すると、手応え抜群で最後の直線へ。直線入り口で馬群を割って出ると、残り200m地点で逃げ馬を交わし、あっという間にその差を広げた。最後は同じく好位を進んだダノンホイットニーに5馬身の差をつけてゴール。ラスト3ハロンはメンバー最速の34秒5という切れ味で他馬との力の違いを見せつけた。
手綱をとったルメール騎手も「乗りやすかった」「いい反応でいい脚を使ってくれた」「能力がありそうで楽しみ」とパートナーの走りを絶賛。関東馬にもかかわらず敢えての西下で、陣営は間違いなく勝利を意識しているはずだ。
悲願のダービー制覇を狙うサトノ軍団が送り込む、友道康夫厩舎の隠し玉がサトノシュトラーセ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)である。
ジャスタウェイ産駒の同馬は、2021年の当歳セレクトセールにて5170万円(税込)で取引。ここまで4戦2勝の成績を残している。
前走のあすなろ賞(3歳1勝クラス)は出遅れながら実力馬のガイアメンテを撃破。2走前の京都2歳S(G3)でもクラシック候補のシンエンペラーから0秒1差の3着に食い込んでいる。そのレースで4着だったのが後に京成杯(G3)を制するダノンデサイルというハイレベルな一戦でもあった。
これまで一貫して2000mを使われてきたが、デビュー5戦目で初の1800mに距離を短縮。コーナー4つからワンターンとなって新味を発揮することができるか。
スマートワイス(牡3歳、栗東・大久保龍志厩舎)は、母が京都大賞典(G2)、阪神牝馬S(G2)2勝など重賞を計4勝したスマートレイアーという注目の血統。その母の主戦も務めた武豊騎手を背にデビュー2戦目で勝ち上がり。ダービー出走へ向けて、勝負の3戦目を迎える。
ベラジオボンド(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)は、昨年末の2歳新馬を快勝し、共同通信杯でも上位人気の一角に推されたが、末脚不発で6着に敗退した。初戦と同じ舞台に戻って巻き返しを図る。
この他には昨秋の東京スポーツ杯2歳S(G2)で3着、前走きさらぎ賞(G3)は6着も直線で不利があったファーヴェント(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)、未勝利、つばき賞(3歳1勝クラス)を連勝中のメイショウタバル(牡3歳、栗東・石橋守厩舎)、昨秋の萩S(L)を牡馬相手に快勝したルシフェル(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)など、上位陣と力量差のない伏兵も控えている。
瞬発力勝負になりやすい阪神外回りの芝1800mで争われる毎日杯。キズナやシャフリヤールに続くクラシック候補が現れるかに注目が集まる。発走は23日の15時35分を予定している。