【毎日杯】チームイクイノックスの「秘密兵器」がついにヴェールを脱ぐ!デビュー戦はノーステッキ5馬身差…レガレイラ、シックスペンスに続く大物の予感
春のG1シーズン開幕を告げる桶狭間の電撃戦、高松宮記念(G1)の開催が控える今週末。「春はセンバツから」といわれる選抜高等学校野球大会も18日から始まったが、競馬ファンにとっては「春は高松宮記念から」といったところだろうか。
今年は香港馬ビクターザウィナーが出走を予定していることもあり、主役不在の群雄割拠が続くスプリント路線の覇権争いはますます激化する一方。世界的にもハイレベルで知られる香港の刺客相手に日本馬が意地を見せてくれることを期待したい。
もちろん、G1レースに大きな注目が集まることは間違いないのだが、今週末の毎日杯(G3)もなかなか面白いメンバーが出走する。実績的にシンザン記念(G3)を勝利したノーブルロジャーが一歩リードしている状況ではあるが、もしかしたらとんでもない大物の可能性を秘めるのが、新馬勝ちから挑むニュージーズ(牡3、美浦・木村哲也厩舎)だ。
チームイクイノックスから大物登場の予感
C.ルメール騎手×木村厩舎といえば、真っ先に思い浮かぶのが世界最強馬イクイノックスの存在。キタサンブラック産駒の偉大な先輩と異なるリアルスティール産駒だが、シルクレーシングの所有馬でもあり、チームイクイノックスの再現を予感させる。
種牡馬として3世代を送り出した父リアルスティールは、サウジダービー(G3)を制したフォーエバーヤングやセントライト記念(G2)を制したレーベンスティールといった大物も輩出。芝ダートの二刀流としても期待される新進気鋭の種牡馬である。ニュージーズが毎日杯を優勝するようなら、さらに種牡馬としての評価も上がるだろう。
まだ新馬勝ちしたばかりの馬とはいえ、デビュー勝ちの内容がとにかく秀逸だった。
15頭立てで争われた中山の芝2000m戦。出たなりで好位の4~5番手につけたニュージーズは終始楽な手応えで追走し、最後の直線で懸命に追いすがる他馬を尻目にノーステッキの5馬身差で大楽勝。最速をマークした上がり3ハロン34秒5は、2位の35秒3を遥かに上回った。相手が後方待機策だったことを考えれば、勝ち馬のそれがいかに突出していたかも察しが付く。
デビュー戦の手綱を取ったルメール騎手が「楽勝でした。能力がありそうですし楽しみです」と振り返ったのも当然であり、まだまだ余裕を感じられる走り。デビューの時期が遅く毎日杯が2戦目となるものの、スケールの大きさではノーブルロジャーにも引けを取らないはずだ。
奇しくもデビューした日のメインレースはホープフルS(G1)も行われ、同じ芝2000mを2分0秒2で駆け抜けたレガレイラの強さも目立つ。ただ、ニュージーズも最後の3ハロンで12秒1→11秒7→11秒3の加速ラップを余裕綽々で突き抜けただけに、底知れない強さを見せたことに変わりはない。
毎日杯といえば、過去10年にシュヴァルグラン、アルアイン、キセキ、ブラストワンピース、インディチャンプ、シャフリヤールなどクラシックをはじめ古馬になってG1を制した名馬が出走した出世レースでもある。
ニュージーズ陣営としては、まずは毎日杯で結果を残すことが最優先。素質馬ノーブルロジャーを負かしてしまうようなら日本ダービー(G1)の秘密兵器として脚光を浴びるはず。ルメール騎手としてもホープフルS優勝のレガレイラ、スプリングS(G2)を楽勝したシックスペンスに続く3番手のクラシックパートナー候補として悩ましい存在となるのではないか。