ドウデュース、リバティアイランド不在でも関係なし!? 大阪杯(G1)「2軍」でさえ超強力な社台グループの絶対政権

撮影:Ruriko.I

ドウデュース、リバティアイランドらがいない大阪杯

「鬼の居ぬ間に洗濯」という、ことわざがある。

 鬼……つまりは立場であったり、力であったりが自分よりも強い者を指しており「鬼の居ぬ間に洗濯」は、そんな“鬼”がいない間も洗濯(働く)しているとは感心なヤツだ……という意味ではもちろんない。

 ここでの洗濯とは「心の洗濯」という意味で、つまりは鬼がいない間に羽を伸ばして、美味しい思いをするというわけだ。

 その一方で、31日には近年のドバイワールドカップデーの影響で「谷間のG1」「なんちゃってG1」などと揶揄されている大阪杯(G1)が開催される。

コントレイル 撮影:Ruriko.I

 確かにコントレイルとグランアレグリア、サリオスの3強対決に沸いた2021年を除いては、やや迫力に欠けるメンバーが目立つ。実際にジャックドール、ポタジェ、レイパパレというここ3年の勝ち馬は、すべて大阪杯がG1初制覇であり、それ以降G1を勝てていない。

 そんな背景もあってG2降格さえ噂されている大阪杯だが、一方で普段社台グループの引き立て役になってしまっている馬主・生産者たちからすれば、グループの主力がドバイへ遠征するこのレースは、まさに「鬼の居ぬ間に洗濯」。競馬の醍醐味G1勝利を飾る絶好の機会といえるだろう。

 ちなみに大阪杯の前日30日にメイダン競馬場で開催されるドバイワールドカップデーには、今年も多くの社台グループのエース級が出走を予定している。

 特にドバイターフ(G1)のドウデュース、ドバイシーマクラシック(G1)のリバティアイランド、ジャスティンパレス、スターズオンアースといったところは、仮に大阪杯に出走してくれば、そのまま1~4番人気を形成してもおかしくない実力派だ。実際にスターズオンアースは、昨年の大阪杯の1番人気馬でもある。

 だからこそ、この4頭を始めとした社台系有力馬が多数不在の大阪杯は、社台以外の陣営にとっては力を入れたいところなのだが……。どうやら今年は“2軍”でさえ、絶対王者の牙城を崩すことは極めて難しそうだ。

「2軍」でさえ超強力な社台グループの絶対政権

「毎回のようにG1へ多くの有力馬を送り込んでいる社台グループですが、今年の大阪杯は特に出走が多くなりそうです。あくまで、まだ想定の段階ですが、このままだとフルゲート16頭中、14頭が社台グループの生産馬ということになりそうですね。

ドウデュースやリバティアイランドといったトップ中のトップが不在の中でも、この状況ですから、改めて層の厚さを感じざるを得ない状況です。競馬が『社台の運動会』と揶揄されて久しいですが、今年の大阪杯はまさにそんな感じになりそうですね」(競馬記者)

ソールオリエンス 撮影:Ruriko.I

 そう記者が話す通り、昨年の皐月賞馬ソールオリエンスや充実著しいベラジオオペラ、エリザベス女王杯(G1)の2着馬ルージュエヴァイユらは社台ファーム、昨年のダービー馬タスティエーラ、オールカマー(G2)を勝ったローシャムパーク、3連勝中のミッキーゴージャスなどはノーザンファームと、大阪杯の登録馬の大半が社台グループの生産馬だ。

 社台グループ以外の生産馬となると、2月の京都記念(G2)を勝ったプラダリアが最有力候補か。6戦5勝と期待の大きいロードデルレイだが、このままでは賞金不足で除外が濃厚と非常に厳しい立場に立たされている。

 ちなみに昨年JRAで開催された平地G1は24。その内、社台グループの生産馬が20勝(ノーザンファーム17勝、社台ファーム3勝)と、ほぼ独占している状況だ。クラウン日高牧場産のジャックドールが勝った大阪杯は、そんな数少ない非社台が勝ったG1だった。

 果たして、今年も大阪杯は非社台の馬主や生産者にとって「鬼の居ぬ間に洗濯」といえるレースになるのか。競馬界の絶対王者社台グループの攻勢は、まさに留まるところを知らない。

GJ 編集部

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