【高松宮記念予想】雨中の桶狭間決戦は「枠と道悪適性」に波乱の予感!弱い4歳世代に下剋上のチャンス…「超抜追い切り」の新星を見逃すな

 土曜も日曜も雨……。今週は毎日のように中京競馬場の天気予報とにらめっこをしていたのだが、どうやら雨中の桶狭間決戦となりそうだ。お目当てはもちろん高松宮記念(G1)である。今年最初のG1、フェブラリーSが大波乱に終わったこともあり、まさに風雲急を告げるといった感じだ。

 戦国時代オタクとしては、1560年に当時まだ弱小大名だった織田信長が今川義元の大軍を破った桶狭間の合戦が思い浮かぶ。ここ2年は波乱の決着が続くだけに、下剋上(地位が下の者が上の者に代わって実権を奪うこと)の舞台として相応しいのかもしれない。

 そういう意味でも最近のスプリント路線は、まさに下剋上の連続。確たる主役が不在だったこともあり、高松宮記念は8番人気ナランフレグに12番人気ファストフォース、スプリンターズS(G1)も8番人気ジャンダルムに3番人気ママコチャが下剋上に成功したばかりだ。

雨中の桶狭間決戦は4歳世代の下剋上に注目

 実績的にナムラクレア、トウシンマカオ、ウインマーベルらが上位人気を形成しそうなものの、スプリンターズSで重賞初勝利がG1となったママコチャの軍門に下ったのは引っ掛かる。2着や3着はあっても1着まで期待するには物足りなさを感じる面々だ。

 また、当のママコチャも外の7枠14番を引いたのは割引材料。ソダシの全妹の血統的に道悪をこなせる背景はあるが、その辺は川田将雅騎手の腕頼みといったところか。

 そこで改めて、下剋上のテーマに合致しそうなオチを考えてみたところ、低レベルと噂されている4歳世代の逆襲が合致しそうだ。今回は1枠1番ビッグシーザー、2枠4番モズメイメイ、3枠6番ルガル、4枠8番ソーダズリング、5枠9番シャンパンカラーら5頭が出走。すべて真ん中より内の枠を引いたのも何かのサインに思えてくる。

 さすがに近走で二桁着順を連発しているモズメイメイや早熟っぽいシャンパンカラーは狙いにくいとはいえ、残りの3頭は面白い馬が揃ったのではないか。

 ということで、「◎」に抜擢したいのは西村淳也騎手とルガルのコンビ。惜敗続きの昨秋は重賞の壁にぶつかったが、前走のシルクロードS(G3)は、まるで別馬のような大楽勝を決めた。スタートを決めて前半33秒4の流れを2番手から楽に抜け出して3馬身差なら十分に評価が可能だ。

 ガリレオやサドラーズウェルズが入る母系も道悪適性を後押しする。3歳時に不良馬場の橘S(L)を5馬身差で楽勝しているのも心強い。なにしろ今週の追い切りが圧巻。抑え切れない勢いと力強いフットワークで栗東の坂路をグイッと駆け抜けた。この躍動感は現在の状態の良さを物語るのに十分。昨年は一つ年下の団野大成騎手がG1初勝利を決めているだけに、西村淳騎手も負けていられないだろう。

「○」には我らが武豊騎手の騎乗するソーダズリング。2戦目の未勝利戦でエルトンバローズを一蹴し、前走の京都牝馬S(G3)もナムラクレアを破った実力の持ち主だ。前進気勢の強い気性的に距離短縮は問題なし。百戦錬磨のレジェンドが進言したからには勝算十分と見たい。

「▲」は香港の刺客ビクターザウィナーでどうか。勝てば2015年エアロヴェロシティ以来となるが、香港のスプリント路線は世界最高峰といえる層の厚さを誇る。ビクターザウィナーは、昨年の香港スプリント(G1)で4着に入った強豪。同レースで優勝したラッキースワイネスを前走のセンテナリースプリントC(G1)で撃破した勢いは本物だ。

 △以下は川田騎手の腕を警戒してママコチャ、安定感あるナムラクレア、C.ルメール騎手が不気味なトウシンマカオといった既存勢力をフォロー。穴で期待したいのは岩田康誠騎手のロータスランドか。頼むでヤス(笑)

◎ルガル
○ソーダズリング
▲ビクターザウィナー
△ママコチャ
△ナムラクレア
△トウシンマカオ
★ロータスランド

 馬券は3連複◎軸から印に流して15点。人気が割れそうなので、トリガミはなさそう。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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