武豊「お兄さんに似ている」キタサンブラック弟が出世レース快勝でクラシックへ視界良好! 日本ダービー参戦に向けて非常に心強い「データ」とは
24日、中京・芝2200mで行われた大寒桜賞(1勝クラス)は、ハナを奪った武豊騎手の1番人気シュガークン(牡3歳、栗東・清水久詞厩舎)が優勝。G1・7勝を挙げたキタサンブラックの半弟となる良血が未勝利戦からの2連勝を飾った。
「お兄さん(キタサンブラック)に似ていると思って、一度はこういう競馬をしたいと思っていました」
兄キタサンブラックの主戦も務めていた武豊騎手からレース後、最大級の賛辞とも取れるコメントが飛び出た一戦。シュガークンは大外枠からスタートを決めて、そのまま主導権を握る。降りしきる雨の中、1000m通過62秒9のマイペースに持ち込み最後の直線に入る。
最内から馬場の中ほどに進路を切り替えてレジェンドのステッキが入ると、後続を突き放す脚を披露。最後は2着に2馬身差をつけて危なげなく押し切った。
「この日の重馬場はキャリア2戦の馬には厳しいと思われましたが、ものともせずに勝ち切ってくれました。レース後には2着オールナットに騎乗していたB.ムルザバエフ騎手も『勝ち馬は強かった』とシュガークンを褒め称えていましたよ。
また武豊騎手はお兄さんに似ていると話していましたが、個人的にも最後の直線で最内から外に持ち出して押し切った今回のレースぶりは、同じ雨の中でキタサンブラックが勝った2017年の天皇賞・秋(G1)を少し思い出しましたね」(競馬誌ライター)
日本ダービー参戦へ非常に心強い「データ」
デビュー戦こそ今年2月とやや遅くなったシュガークンだが、昨年の札幌2歳S(G3)で1番人気に推されたガイアメンテなどを問題にせずの2連勝。今後は日本ダービー(G1)を目指してトライアルレースが視野に入ってくるだろう。
ちなみに今回の大寒桜賞は2012年から施行されている比較的歴史の浅いレースだが、過去12頭いる勝ち馬のうち6頭がその後、ダービーや菊花賞(G1)に駒を進めている。なかでも12年のトーセンホマレボシはダービーでも3着に好走を果たすなど、ちょっとした出世レースとしても知られている。
「大寒桜賞の勝ち馬はダービーの前哨戦である青葉賞(G2)もしくは京都新聞杯(G2)とも非常に相性がよく、過去12年間で【2-3-3-4】という好成績を残しているんですよ。
まだ1勝クラスを勝ったばかりで収得賞金が心細いシュガークンにとっては、春の大舞台を目指す上でも非常に心強いデータだと思います」(同)
「とにかく一戦ごとに成長して、強くなっているので楽しみです」
この勝利により区切りのJRA通算4500勝まであと「9」と迫ったレジェンドは、シュガークンを最後までそう称賛した。クラシックへ視界良好となった良血馬の今後の動向に注目だ。