【大阪杯】「ここしかないって進路」人気薄で圏内突入の好騎乗を安藤勝己氏も絶賛!「単勝229.1倍」で大波乱も演出した若武者は今後もG1で要注意?
先月31日の大阪杯(G1)は、4歳馬ベラジオオペラがローシャムパークとの熾烈な追い比べをクビ差で制して優勝。4歳世代はかねてから低レベルであると各方面から囁かれていたが、これに一矢報いる結果となった。
1、2着は2、3番人気と比較的順当に決まった今年の大阪杯だったが、11番人気で3着に入り三連単9万3050円の波乱を巻き起こしたのがルージュエヴァイユ(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)と菅原明良騎手のコンビだ。
凱旋門賞馬デインドリームを祖母に持つ良血は、昨年のエリザベス女王杯(G1)でも2着に好走している実力馬だが、前走の京都記念(G2)はまさかの8着に惨敗。さらに今回は馬体重がマイナス14キロと大幅に減っていた上、鞍上がテン乗りの菅原明騎手ということもあってか評価が急落していた。
安藤勝己氏も絶賛の好騎乗で人気薄を好走に導く
ただ、その菅原明騎手が13番枠からの発走となったルージュエヴァイユを1コーナーで巧みにインの方へと潜り込ませることに成功。勝負どころの4コーナーもタイトに内ラチ沿いを回ると、最後の直線でもインコースから一瞬、勝ってしまうかという伸び脚で1着からタイム差なしの3着に食い込んだ。
勝利にはあと一歩届かなかったが、この騎乗ぶりは元JRAの安藤勝己氏もXで「あのペースで圏内突入ならここしかないって進路。相手なりの器用さを最大限に活かした好騎乗」と褒め称えるに至ったのも当然か。
レース後には菅原明騎手も「上手く内に入れることができて、思った通りの競馬ができました」と納得のコメントを残した。ただ、やはり勝利を逃してしまったことで「あと少しでしたし、ものすごく悔しいです」と、若武者は悔しさも滲ませていた。
「6年目の菅原明騎手は昨年70勝をマークし関東リーディングでも3位に入った伸び盛りの若武者ですが、G1のタイトルにはまだ手が届いていません。同期では団野大成騎手が昨年の高松宮記念(G1)で一足先にビッグタイトルを手中に収めているだけに、それに続きたかったところでしょうね。
ただ勝てこそしなかったものの大阪杯の好騎乗は関係者へのアピールに繋がったことは間違いありません。そう遠くないうちに再びチャンスが回ってくると思いますよ」(競馬誌ライター)
惜しくも初G1勝利こそ逃した菅原明騎手だが、中央G1で馬券圏内に入ったのは今回が3回目。初の馬券圏内は一昨年のNHKマイルC(G1)で、18頭中シンガリ人気、単勝229.1倍のカワキタレブリーで3着に入り三連単153万円オーバーの大波乱を演出したことを覚えているファンも少なくないだろう。
まだ記憶に新しい昨年暮れのホープフルS(G1)で3着に入ったサンライズジパングも13番人気、単勝万馬券という超人気薄。そして今回のルージュエヴァイユも11番人気であったことから、ここまでG1ではすべて二桁人気の穴馬とのコンビで馬券に絡んでいるのである。
これからビッグレースで見かける機会はさらに多くなりそうな菅原明騎手だが、人気の有無にかかわらず押さえておいて損のない騎手となりそうだ。