「イメチェン成功」の若手に穴党から絶賛相次ぐ!G1で巧みな進路取り披露…「悔しいです。ものすごく悔しいです」にブレイクの予感

ベラジオオペラ 撮影:Ruriko.I

 先週末の阪神競馬場で行われた大阪杯(G1)を優勝したベラジオオペラ。昨秋から年長馬相手の中距離重賞で苦戦の続いた4歳世代だが、初のG1で「低レベル説」にひとまず待ったをかけることに成功した。

 その一方、上位に入線した馬たちは、各馬に騎乗した騎手の好判断も功を奏した。優勝したベラジオオペラとコンビを組んだ横山和生騎手は、6枠11番の外から積極的にポジションを主張して2番手。逃げたスタニングローズが1000m通過60秒2のスローに落とし込んだ流れもローシャムパークとの叩き合いで優位に立てた一因だろう。

 また、惜しくもクビ差の2着に敗れたローシャムパークにしても、前半は馬のリズムを優先して後方から進めたが、ペースが遅いと見るや外から徐々にポジションを上げてベラジオオペラに並走する格好。臨機応変な手綱さばきを見せた戸崎圭太騎手の好判断好騎乗だったのではないか。

6年目の若手が見せた完璧な進路取り

菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I

 ただ彼らが素晴らしかった上で、抜群の存在感を見せたのが11番人気の大穴ルージュエヴァイユを3着に導いた菅原明良騎手だ。重賞でコンスタントに好走していた馬だが、前走の京都記念(G2)で見せ場も作れないまま8着に大敗。近走で手綱を任されていた松山弘平騎手も1番人気タスティエーラに騎乗し、菅原明騎手とは今回が初コンビだった。

 関東ではちょっとした穴騎手として知られる若手の有望株だが、その知名度はまだ全国区といえるほどでもない。デビュー6年目のキャリア的にも、菅原明騎手を知らないファンに侮られたのは無理もなかったかもしれない。

「左回りの東京や新潟でよく穴を出しますが、右回りの中山の成績はもうひとつ。今年の中山はまだ頑張っている方ですけど、どちらかというとサウスポーのイメージが強い騎手ですね。ですが、関西圏の重賞ではそのイメージに反して好結果を残しているんです。

スタートしてすぐ隣のキラーアビリティに体当たりされましたが、菅原明騎手は本当に冷静でした。序盤こそ外目を進んでいきましたが、馬群が横並びでゴチャついていることに気付くと徐々に内へと移動。時折内をチラ見しながら3コーナー手前には最内を確保することに成功しました。

勝負どころとなった最後の直線でも内一杯をロスなく走らせ、ゴール前でもベラジオオペラの内を選ぶ徹底ぶり。上位3頭がタイム差なしの横一線だった訳ですから、本当にあとちょっとでした」(競馬記者)

 本人も「悔しいです。ものすごく悔しいです」と振り返った騎乗は、実際のレース映像を見てもらう方が話は早いだろう。同じような位置にいたステラヴェローチェがルージュエヴァイユから半馬身遅れて4着に入っているが、これは馬の実力というよりも鞍上の進路取りで明暗を分けたといっても過言ではない。

 そしてこれは数字の上でも菅原明騎手の好成績が証明されている。

 2022年まで重賞勝ちは関東のみだったが、23年に京都牝馬S(G3)をララクリスティーヌ、京阪杯(G3)をトウシンマカオ、今年に入っても日経新春杯(G2)をブローザホーンで制した。

 G1にしても22年のNHKマイルC(G1)をカワキタレブリー、23年のホープフルS(G1)をサンライズジパング、先日の大阪杯でルージュエヴァイユと、いずれも二桁人気の大穴を持ってきている。当然ながら今回の騎乗にもネットの掲示板やSNSなどで「菅原だから来た」「関西の菅原は要注意」「今一番乗れている若手じゃないかな」といった絶賛の声が見られた。

 既にG1をいつ勝っても不思議ではないくらいに実力をつけている今、春のG1シーズンで大ブレイクの予感がある。残念ながら桜花賞(G1)の騎乗予定はないものの、今週末も菅原明騎手の騎乗馬は要チェックだ。

GJ 編集部

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