取捨選択の難しい混戦で「激走候補」4頭をピックアップ!先週の1番人気惨敗から一転して平穏決着も?【ニュージーランドT&阪神牝馬S】

撮影:Ruriko.I

 先週末は土曜中山でダービー卿チャレンジT(G3)、日曜阪神で大阪杯(G1)と、2つの重賞があったものの、いずれも1番人気が馬券圏外に沈んだ。馬券的な妙味があったといえば聞こえがいいが、その分、多くの人々が天を仰ぐ結末となったことだろう。

 だがそれでも1番人気。多くの競馬玄人が様々なデータと顔を突き合わせて、勝つのはこれだと選んだ馬であることは間違いない。最近こそ結果が伴わないものの、『そろそろ来てもおかしくない』頃合いだ。

 今度こその期待を込めつつ、今週末のニュージーランドT(G2)と阪神牝馬S(G2)で、上位進出が期待される馬を2頭ずつピックアップしてみたい。

ニュージーランドTの「激走候補」

 上位3着までにNHKマイルC(G1)への優先出走権が与えられる一戦。昨年3着のシャンパンカラーは勢いそのまま、本番を制している。今年もG1を狙う逸材が顔を揃えた。

 過去10年で、1番人気でここを制したのは2014年のショウナンアチーヴが最後。だが2番人気が5勝・3着2回と好成績を残している点を忘れてはならない。今回、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによれば、ボンドガール、キャプテンシー、エコロブルームらが人気を分けると見られている。

 この3頭の中でもイチオシの馬としてピックアップしたいのが、キャプテンシー(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)だ。

 昨年7月から3回連続2着と惜しい競馬を続けていたが、4戦目で一変。暮れの2歳未勝利(阪神1600m)で逃げ切り勝ちを収めると、続くジュニアC(L、中山1600m)も快速を飛ばし、一度も先頭を譲ることなく快勝している。

 ニュージーランドTでは過去10年で、4角5番手以内の馬が【6-4-6-43】。中山のマイル戦は先行力が物を言う舞台だけに、前々で運べそうな脚質のキャプテンシーに合っているとみていいだろう。

 ここでキャプテンシーの鞍上を務めるのはM.デムーロ騎手だ。テン乗りとなるが、1週前追い切りに騎乗した際には、「イメージほど行きたがらずに走れていました。状態はいい」と好感触を得ていたという。直前の追い切りは、馬なりで相手に合わせたこともあり、目を見張るタイムは出なかったものの、動きは上々だった。

 デムーロ騎手は昨年にコンビを組んで同レースを制したエエヤンで、同じ中山のマイル重賞であるダービー卿CTを8番人気2着と好結果を残したばかり。今回も注目しておいて損はないはずだ。

 もう1頭、名前を挙げたいのは、ニュージーランドTで過去10年の勝率26.3%【5-0-2-12】と好結果を残している3枠に入ったルージュスエルテ(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)。

 前走のクイーンC(G3)ではスタートで不利を受けたため、後方からの競馬となり、3着に終わったが、勝利した2戦はいずれも逃げ切り勝ち。ここでもこの先行力が武器となる。流れに乗ることができれば好走必至だろう。

阪神牝馬Sの「激走候補」

 こちらは同じマイル重賞でもヴィクトリアマイル(G1)の前哨戦として位置づけられている一戦。阪神1600mに舞台を移してから今回で9回目と、傾向も徐々に固まりつつある。そこで今回は、上位人気が予想される1頭と、穴馬候補1頭をそれぞれ選びたい。

 まず押さえたいのは、香港のマジックマンことJ.モレイラ騎手が騎乗するマスクトディーヴァ(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。

マスクトディーヴァ 撮影:Ruriko.I

 昨年、ローズS(G2)をレコード勝ちした後に挑んだ秋華賞(G1)では、三冠牝馬リバティアイランドに詰め寄る2着と好走。今年こそ悲願のG1制覇のために幸先よいスタートを切りたいところだったが、始動戦となった東京新聞杯(G3)では1番人気ながら6着に終わっている。

 だが、前走はゲートを上手く出られなかっただけでなく、前扉に接触した関係で他の馬よりもゲートが開くタイミングも遅れるというダブルパンチ。これでは最後方からの競馬となったのも仕方がない。これだけ明確な理由があるだけに、この結果は度外視しても問題ないだろう。それどころか、内有利の馬場で行われた中にもかかわらず、あの位置から6着まで追い上げるなど、改めて能力の高さを感じさせた1戦となった。ちなみに同レース5着のマテンロウスカイが、次走で中山記念(G2)を制したようにレースレベルは高かった。

 スタッフによれば、この中間は課題とされる駐立の練習も十分に行ったという。五分に出ればここでは能力上位。いい形で終えて、ヴィクトリアマイルに向かいたいところだ。

 最後にもう1頭名前を挙げたいのは、勝負気配が漂っているシングザットソング(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だ。

 昨年のフィリーズレビュー(G2)覇者。その後はオパールS(L)2着こそあったものの、それ以外はイマイチな競馬が続いているように見える。

 だが、陣営によればこれまでの競馬や稽古では、シングザットソングに我慢することを覚えさせていたという。その甲斐あってか、前走ではこれまで以上に道中をスムーズに進むなど、成長の跡が見られた。

 今回、1ハロン距離を延ばすことになったが、これも前走の内容を鑑みて決めたこと。管理するスタッフからは、『人とのコンタクトが以前よりもだいぶ強化されており、精神面も改善している』との話も聞かれた。ここまでの努力の成果が実を結ぶことを期待したい。

 以上、ニュージーランドTはキャプテンシーとルージュスエルテの2頭、阪神牝馬Sはマスクトディーヴァとシングザットソングの2頭を推奨したい。上位人気も予想されるが、だからこそ厚く張れば高配当も期待できるはずだ。

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