【桜花賞(G1)予想】阪神JF組のアスコリピチェーノは敢えて切り! 武豊の「勝ちたい」に乗ってスウィープフィートを本命に
有力馬にアクシデント…今年は混戦模様の桜花賞
今回は牝馬三冠の第一関門にして、春の牝馬クラシック初戦となる桜花賞(G1)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データから見ていこう。
チューリップ賞(G3時代含む) 17頭
阪神ジュベナイルF 4頭
フィリーズレビュー 3頭
クイーンC 2頭
朝日杯フューチュリティS、フェアリーS、シンザン記念、エルフィンS(L) 各1頭
となっている。例年、レースレベルがとやかく言われるチューリップ賞(G2)ではあるが、なんやかんや言っても桜花賞への王道のステップであることは揺るがない。印象より少ないのが、阪神JF(G1)からの直行組。ちなみに阪神JFの勝ち馬で、直行して本番も勝ったのは21年のソダシと昨年のリバティアイランドだけである。また、この10年で三冠牝馬が3頭出ているが、アーモンドアイとデアリングタクトはチューリップ賞も阪神JFも走らず、別路線からの桜花賞臨戦だった。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-3-1-4
2番人気 4-2-0-4
3番人気 1-2-2-5
4~6番人気 1-1-4-24
7~9番人気 2-2-3-23
10番人気以下 0-0-0-88
となっている。上位人気はそれなりに走っている。近5年に絞っても1番人気と2番人気が3頭ずつ、3番人気が2頭とやはりそれなりの数字が残っている。過去10年で上位人気がすべて飛んだのは15年の1度だけ。それ以外は1頭ないし、2頭の人気馬に割って入る人気薄という構図。ただ、数字でもわかるように中穴クラスではなく、もう一声人気がない馬が好走していることに注意したい。
桜花賞男・武豊騎手の手綱さばきに懸ける!
これを踏まえて「◎」は7番スウィープフィートとする。
前走チューリップ賞は人気もそこそこ、馬場も渋っている中で、ほぼ最後方から怒濤の追い込みを見せて完勝した。
上述の通り、ローテーション的には王道のチューリップ賞組、かつそこを楽に勝ってきているだけに多少人気していても外すわけには行くまい。血統的にも母系に名牝スイープトウショウの名前がある。スイープトウショウもチューリップ賞を勝ち、桜花賞へ出走しているが惜しくも5着と届かなかった。
ただ、陣営は「前走は鞍上が折り合いをつけて、持ち味を活かしてくれた」と振り返り、「ゲートの課題はまだ残っており、骨っぽいメンバーになるので好走するにはいろいろ噛み合わないと」と慎重である。
一方で、鞍上の武豊騎手は桜花賞最多勝(5勝)を挙げている「桜花賞男」。最後に勝ったのは04年のダンスインザムードということで、奇しくも祖母のスイープトウショウが5着に敗れたレースである。「チャンスのある馬で出られる。勝ちたいなという気持ちはありますね」と飄々と語っているが、チャンスをモノにしたいのは本音だろう。そこに乗って、敢えての本命とする。
「確実にパワーアップが見られる」コラソンビート
「○」は少々人気を落としている8番コラソンビートを挙げる。
2歳時は未勝利から3連勝で京王杯2歳S(G2)を制し、阪神JFでも3着と実力のあるところを見せてきた。前走のフィリーズレビュー(G2)は休み明けもあってか、足を掬われて2着となっている。
陣営は「先を見据えての調整で、終いが少し甘くなった」と前走を振り返る。「レースぶりも含めて形としては良かったし、状態も確実にパワーアップが見られるので、落ち着いて臨めれば」と自信を覗かせている。
このフィリーズレビューを勝った15番エトヴプレもなかなかのものではあるが、過去のフィリーズレビュー組は、なぜか2着馬に好走が集中している。そういう意味でも、たまたま負けたのが吉と出るかも知れない。実績の割に人気がいまひとつというのも逆に買い要素である。
「▲」は穴馬、10番セキトバイーストを推す。
前走チューリップ賞ではハナを切って、直線でも粘りに粘ったが◎スウィープフィートに交わされて2着に終わっている。だが、この馬はキャリア6戦で2着4回と、とにかく惜敗続きの勝ちきれない状況が続いている。
陣営からは「1週前、馬場が悪かった中でいい時計が出たので、直前はサラッと。これで予定通り上向いてきた」と調整が上手くいったことを強調。「前走はハナを切ったが、自在性があるので、ここは何とかしたい」と期待を滲ませているコメントが出ている。
一昨年の二冠牝馬スターズオンアースも思えばフェアリーS(G3)、クイーンC(G3)を連続2着で人気薄になっていたのを覆し、今では押しも押されもせぬ名牝の1頭となった。レースの格は違うが、連続2着は印象が被る。
チューリップ賞組はフィリーズレビュー組同様、なぜか2着馬がよく走る。この馬もその例に倣う可能性はあると考えて押さえてみたい。
「△」は人気の一角、2番クイーンズウォークと穴馬11番ライトバックの2頭とする。
クイーンズウォークはデビュー戦こそ落としたが、続く未勝利と前走クイーンCを連勝してここに臨んできている。朝日杯FS(G1)を勝ったグレナディアガーズの半妹という血統馬ということもあり、短い距離で本領発揮できるのだろう。
陣営は「マイルなので位置取りは後ろだったが、馬のリズムを守って中身のある内容だった」と前走を振り返っている。「勝ったことでゆとりのあるローテーションを組めたし、ここに向けていい状態に持って来られた」とコメント。ただ、「速い流れになったときはポテンシャルの高さでカバーしてくれれば」とも言っている。
キャリア3戦のすべてで上がり最速33秒台をマークし、前走も陣営の言う通り後方から追い込んでの勝利ではあったが、勝ちタイム自体は良馬場ながら平凡の域を出ない。桜花賞は馬場が良ければ1分32秒台で決着することが多く、タイム的にはあともう一声といったところである。
鞍上の川田将雅騎手は昨年のリバティアイランドで経験しているだけに、上手く乗りこなしてしまうのだろうが、取りこぼしは十分考えられるので押さえまで。
そう考えるとライトバックの前走はエルフィンSで、同じマイル戦ながら1分35秒台とタイムでは、まるで追いついていない印象がある。
陣営は「ひと息入れた前走はいろいろ成長を感じられた」と高評価。「折り合いも改善しているし、今回はペースも流れると思うので、いい物がある決め手を活かせられれば」と期待値は高いよう。
単純比較なら、前走で◎スウィープフィートは0.1秒差でこの馬に負けており、その点でも一枚上と見られなくはない。エルフィンSからの臨戦例は無敗の三冠牝馬デアリングタクトが該当するが、すでに1敗しておりスケールでは大きく見劣るのは仕方ない。だが、この2走前の1敗からしっかり巻き返しているところは、一発の可能性を感じさせてくれる。
一方、人気になるであろう阪神JF組の9番アスコリピチェーノと、2着だった12番ステレンボッシュは切り。
アスコリピチェーノは決め手もあり、重賞2勝の実力はメンバー中でも一枚上と思える。だが、そう感じた阪神JF直行組の馬が負けた姿も多々ある。上でも触れているが、イメージより阪神JF組の好走は少ない。
過去10年でもソダシとリバティアイランドの2頭しか連勝を飾った馬がおらず、2着も1頭。そう考えると2歳から3歳にかけて順調に使ってきた馬の方が有利なのは間違いないと思われ、アスコリピチェーノやステレンボッシュが、その名を歴史に残すほどの名牝になるかは現時点で疑問が残る。
ということで、今回は2番、7番、8番、10番、11番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。3歳戦は2歳当時から散々な目に遭わされているので、ここらで歯止めをかけたいところ。祈るばかりである。