横山典弘騎手が七夕賞(G3)で3年連続の「ポツン」……”お馴染み”の最後方待機から一昨年は「早め進出」昨年は「イン突き」そして今年は……
今回も、向正面では集団から5馬身程度置かれた最後方。昨年同様、絵に描いたような「ポツン」となった。
だが、幸いマルターズアポジーが引っ張る流れは1000m通過が58秒というハイペース。つまり、後方勢に恩恵のある流れだ。
例えば、先行勢が総崩れした昨年の毎日王冠(G2)において、11番人気のヒストリカルで最後方ポツンから見事な追い込みを決めたように、時として常人にはできない神騎乗をするのが、横山典騎手が天才といわれる所以だ。
今回も勝負所に向かってじょじょに差を詰めていくスズカデヴィアス。ここから、2年前のヒラボクディープのような早め進出の競馬をするのか、それとも昨年のマジェスティハーツのように動かないまま、勝負所でインを狙いに行くのか……。
ところが横山典騎手が選んだのは、そのどちらでもなかった。原点回帰、追い込みの真骨頂となる”大外ぶん回し”である。