古川奈穂「重賞チャンス」3歳快速馬で圧巻の逃走V! 「最後も余裕がありました」矢作芳人厩舎「30.5%→21.8%」でも進む“親離れ”?
亀田騎手も「勝った馬が強かった」
13日、福島競馬場で行われた雪うさぎ賞(3歳1勝クラス)は、3番人気のモズトキキ(牝3歳、栗東・村山明厩舎)が勝利。未勝利からの連勝で大きな2勝目を飾った。
16頭立て、芝1200mのレース。前走は中団から上がり最速の末脚で差し切ったモズトキキだったが、鞍上が亀田温心騎手から古川奈穂騎手に替わったこの日はスタートから積極果敢にハナへ。ただ、これはレース後に古川奈騎手が「行ければ逃げても良いくらいの指示」と明かした通りの想定内だったようだ。
前半600mを33.9秒という締まったペースで逃げ、後半の600mも最速から0.2秒遅いだけの34.6秒で上がられては後続もお手上げか。2馬身半差の逃げ切りという完勝劇には、2着アスティスプマンテの亀田騎手も「勝った馬が強かった」と白旗を上げる他なかったようだ。
「古川奈騎手らしい積極的な競馬でしたね。昨年12月に落馬で左鎖骨を骨折してしまった古川奈騎手でしたが、2月の最終週から復帰。これで今年2勝目と出遅れてしまいましたが、斤量の恩恵がない特別戦での勝利は今の彼女にとって大きいですし、コンビ継続となれば重賞挑戦のチャンスも見えてきました。今日の内容なら、上のクラスに行っても面白い存在になりそうです」(競馬記者)
また、古川奈騎手と言えば関西の名門・矢作芳人厩舎の所属ジョッキーとしても有名だ。
矢作芳人厩舎「30.5%→21.8%」でも進む“親離れ”?
今や押しも押されもせぬトップジョッキーに成長した坂井瑠星騎手を始め、人を育てることに定評のある矢作厩舎。古川奈騎手もデビュー以来、その恩恵を大きく受けており、昨年も314回の騎乗の内、30.5%にあたる96回が矢作厩舎の馬。良くも悪くも“厩舎頼み”という状況だった。
しかし、今年はここまで64回騎乗しているものの、矢作厩舎の所属馬はわずか14回と21.8%まで減少。ここまでの2勝も別の厩舎の馬で挙げたものだ。
「楽に行けて、道中の手応えも良かったですし、最後も余裕がありました」
レース後、そうモズトキキの走りを称えた古川奈騎手。これまで矢作厩舎のグランスラムアスクとのコンビで2度の重賞を経験しているが、昨年のクイーンS(G3)が12番人気14着、今年の中山牝馬S(G3)16番人気12着と、ほぼノーチャンスだった。
もしモズトキキとのコンビでの重賞挑戦が叶えば、初の所属厩舎以外の馬での挑戦となる。そして何より、この日の走りを見る限り、重賞でもチャンスは決して小さくないはずだ。