「ルメールショック」が木村哲也厩舎に直撃?桜花賞に続き皐月賞も人気馬が凡走…主戦騎手不在で「13連敗」の急ブレーキ

C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 最強馬イクイノックスを育てた調教師として、日本だけでなく世界に名を轟かせた木村哲也調教師。名手C.ルメール騎手を背に快進撃を続けたヒーローは、産駒がデビュー前の新種牡馬としては異例の2000万円という価格が設定されたことでも話題となった。

 今年に入っても木村厩舎の好調は続き、調教師リーディングでも上位をキープ。このまま軌道に乗るかと思われたが、想定外のアクシデントが発生した。

主戦騎手の負傷が木村厩舎に与えたダメージは大きい?

 先月30日に開催されたドバイワールドカップデーに遠征していたルメール騎手が、ドバイターフ(G1)で米国馬キャットニップに騎乗した際に落馬。その結果、肋骨と鎖骨を骨折しており、肺にも穴が開く怪我を負ったのだ。

 その関係でルメール騎手がUAEに2週間滞在することになり、当然ながら日本での騎乗は叶わず。木村厩舎も主戦騎手が不在のまま、春のクラシックを迎えざるを得なかった。

 しかし、頼みとするルメール騎手を欠いたことは、想像以上に苦戦を強いられる一因となったかもしれない。

 桜花賞(G1)のチェルヴィニアはB.ムルザバエフ騎手とのコンビで出走し、4番人気の支持を得たが13着に惨敗。そして翌週の皐月賞(G1)は、昨年のホープフルS(G1)で牡馬を蹴散らして優勝したレガレイラが1番人気に支持されたものの、北村宏司騎手が騎乗して6着と人気を裏切る結果に終わった。どちらも休み明けだったこともあり、馬の状態なども関係したと思われるが、当初の予定通りにルメール騎手が騎乗していればと感じたファンもいただろう。

 とはいえ、ルメール騎手の不在がまったく影響していなかったのかとなると、そうとも言い切れない事情がある。実は4月に入って木村厩舎の成績が、急ブレーキがかかったかのように伸び悩んでいるのだ。

 ただの偶然かもしれないが、ルメール騎手がいなくなった4月は13連敗。まだ2週を経過したタイミングのため、因果関係については定かではないが気になるところである。

「ちょうど春のG1シーズンが始まって、しかも上位人気馬を管理している厩舎だったことも“ルメールショック”のイメージに拍車を掛けましたね。J.モレイラ騎手の大活躍を見せられると、騎手次第で馬の成績が変わるという話にも説得力があります。

それに木村厩舎といえば、今年ここまでの成績を振り返っても勝ち星は、ルメール騎手の騎乗馬ばかりといっていい状況。木村調教師の手腕は確かだと思いますが、ルメール騎手が騎乗することでの相乗効果はあったはずです」(競馬記者)

 念のため、今年木村厩舎が騎乗依頼した騎手別の勝利数を確認してみたところ、11勝中10勝がルメール騎手で、後の1勝は川田将雅騎手だった。他の騎手で勝利がないことを考えれば、やはりルメール騎手不在の影響は思いのほか大きかったといえそうだ。

 ひとつ朗報があるとすれば、ルメール騎手が15日に更新した自身のSNSにて、「日本に戻ります」とメッセージを残したことだ。まだ明確な復帰の時期はわからないものの、名手の復帰を競馬ファン以上に待ち望んでいるのは、木村調教師なのかもしれない。

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