コスモキュランダ次走ダービーも「鞍上未定」の怪…J.モレイラ続投が決まらない理由に「身元引受調教師」の影響も?
牡馬クラシック第一弾の皐月賞(G1)で2着に入ったコスモキュランダ(牡3歳、美浦・加藤士津八厩舎)。同馬は弥生賞ディープインパクト記念(G2)の覇者で、鞍上は重賞3連勝中と絶好調のJ.モレイラ騎手。いま考えると7番人気なのが不思議なくらいだった。
ジャスティンミラノにクビ差届かず戴冠は逃したが、管理する加藤士師は「ジョッキーはうまく乗ってくれました」「やっぱり上手ですね」と、テン乗りで1着とタイム差なしに導いた鞍上の手腕をしきりに褒め称えた。
放牧には出さず、在厩調整で日本ダービー(G1)を目指すことを発表。「あの競馬ができるならダービーでも楽しみ。距離は長くなったほうがよさそうだし、まだ成長の余地もある」と、指揮官は東京・芝2400mの舞台で逆転を見据えている。
ただ皐月賞好走の立役者モレイラ騎手の継続騎乗は、現時点で未定とのこと。師は『スポーツニッポン』に「ジョッキー(モレイラ)が次も乗れるのがベストですが、その辺りはオーナーサイドに任せます」と、名手の続投を望んでいるものの、まだ確定はしていないようだ。
モレイラ騎手の続投が決まらない理由は…
先述の通りコスモキュランダは弥生賞1着、皐月賞2着の実績を誇り、陣営としてもほぼ完璧に乗りこなしたモレイラ騎手を替える理由はないだろう。それでも白紙となっている理由の1つとして、モレイラ騎手の身元引受調教師である堀宣行師の管理馬との兼ね合いも考えられるか。
モレイラ騎手と堀厩舎といえば、モーリスやサトノクラウン、ネオリアリズムでG1を制している黄金コンビ。JRAでは過去10年間で105回コンビを組んでおり、35勝をマークしている。これはモレイラ騎手の厩舎別成績としてともに最多で、2位の池江泰寿厩舎に倍以上をつけてトップの数字だ。
ちなみにコスモキュランダの加藤士厩舎だが、実はモレイラ騎手とはわずか1回しかコンビがない。この1回とは先日の皐月賞である。
これに対し、モレイラ騎手と抜群の信頼関係を築いている堀厩舎は、クラシック戦線の有力馬にサウジアラビアロイヤルC(G3)覇者ゴンバデカーブースがいる。出走予定だった昨年暮れのホープフルS(G1)を取り消して順調さを欠いたものの、すでに帰厩済みであり、次はプリンシパルS(L)かNHKマイルC(G1)に出走予定だ。
また弥生賞7着の後に骨折が判明したダノンエアズロックもすでに帰厩済み。昨年のアイビーS(L)では後のホープフルS覇者レガレイラを撃破しており、乗っていたモレイラ騎手も「いい瞬発力を見せてくれました。将来が楽しみです」と絶賛していた素質馬である。
さらに未勝利戦を5馬身差で圧勝したデュアルウィルダーも青葉賞(G2)に出走予定。これらの馬がダービーに進むこととなれば、過去の厩舎実績などから考えても本番でモレイラ騎手が手綱を握る可能性もゼロとは言い切れないだろう。
来月26日に開催される日本ダービー。果たして“マジックマン”モレイラ騎手がコンビを組むのは、どの馬だろうか。