タガノエルピーダ×M.デムーロ「新タッグ」でオークスヘ!「タイトルを獲得したいものと夢見ております」悲願の初G1制覇目指す名オーナーの希望となれるか
今年の牝馬クラシック戦線は桜花賞(G1)をステレンボッシュが制し主役の座に踊り出た。同レースで2着だったアスコリピチェーノはNHKマイルC(G1)への参戦を予定。オークス(G1)でステレンボッシュの牝馬二冠を阻止する新星は今後現れるのか。
21日にはオークストライアルのフローラS(G2)が行われるが、別路線組の中で注目を集める1頭といえば、忘れな草賞(L)を勝ったタガノエルピーダ(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
昨年の10月に京都でデビュー戦を勝利すると、阪神ジュベナイルF(G1)にエントリーするも除外になったことで、翌週の朝日杯フューチュリティS(G1)に出走。牡馬相手でも3着に入り実力があることを示した。
桜花賞で有力候補の1頭になる期待が寄せられたが、今年の初戦となったチューリップ賞(G2)を4着に敗れて優先出走権を逃してしまう。本番への出走は叶わなかったが、桜花賞当日に行われた忘れな草賞を後続に2馬身半差で快勝した。
ファンの間では「残念桜花賞」とも称される忘れな草賞だが、過去の勝ち馬のうち5頭がその後、オークス馬に輝いている。特に単勝1倍台で勝利しオークスに出走すると2戦2勝と相性も悪くない。タガノエルピーダもこの条件に該当するため樫の舞台で注目が集まりそうだ。
鞍上には名手・M.デムーロ騎手を確保
ちなみにオークスでは、2019年にラヴズオンリーユー、2021年にユーバーレーベンで2度このレースを優勝し、これまでJRAのG1で34勝を誇る名手・M.デムーロ騎手を確保できたのも大きい。
かつてはG1請負人とも呼ばれたデムーロ騎手だが、2021年の阪神JFをサークルオブライフで勝ったのを最後にG1勝利から遠ざかっているが、今年は徐々に復調気配を見せている。
コスモキュランダで弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝利し、先月30日のダービー卿チャレンジT(G3)でも8番人気エエヤンを僅差2着に持ってきた。28日の天皇賞・春(G1)でも前年3着のシルヴァーソニックに騎乗も決まっており、2021年以来のG1制覇で完全復活をアピールしたいところだろう。
「G1制覇を成し遂げたいのはタガノエルピーダのオーナーである八木良司氏も同じでしょうね。八木オーナーは以前、京都馬主協会のコラムに『次こそは自らの生産馬を自らの調教場でトレーニングし、重賞制覇、G1タイトルを獲得したいものと夢見ております』とつづっていました。
同オーナーは平成元年の馬主資格取得以来、G1ではタガノテイオーの朝日杯3歳Sの2着が最高。それだけにタガノエルピーダにかける意気込みは強いでしょう」(競馬誌ライター)
タガノエルピーダの馬名の由来は冠名+エルピーダ(希望)。果たして久々のビッグタイトルを狙うデムーロ騎手、初G1制覇を目指す八木オーナーにとっての希望のような存在となれるだろうか。