ステラヴェローチェに並ぶ「最速」を記録、メイショウタバルの毎日杯は凌駕…大注目の惑星が日本ダービー前哨戦に登場!
4日に行われる日本ダービーの前哨戦・京都新聞杯(G2)。優先出走権は付与されないものの、1着になれば2700万円が収得賞金に加算されるため、ほぼ確実に出走圏内に入ることができる。
大舞台出走を目指し3戦2勝のアドマイヤテラや、毎日杯(G3)3着ベラジオボンドなど面白そうなメンバーが顔を揃えたが、中でも最大の惑星として注目したいのがウエストナウ(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)である。
同馬はまだキャリア1戦のキズナ産駒だが、4月阪神でのデビュー戦を既走馬相手に完勝。道中は中団後ろを追走すると、最後の直線で上がり3ハロン最速となる34秒0の豪脚を披露し、2着馬に2馬身の差をつけて突き抜けたのだからタダモノではない。これには手綱を取った西村淳也騎手もレース後に「すべてを経験できて、今日は100点満点の競馬でした。今後が楽しみです」と最大級の賛辞を送った。
またウエストナウのポテンシャルの高さを物語るのは、そのレースセンスだけでなく優秀な勝ちタイムである。
ステラヴェローチェに並ぶ「最速」を記録
本馬が阪神・芝1800mで叩き出した勝ちタイムは、良馬場で1分45秒4という内容。実はこれ、3月の大阪城S(L)を勝ったステラヴェローチェと並んで、今年の同コース最速の時計なのだ。良と重の違いこそあれ、皐月賞(G1)で4番人気に評価された快速馬、メイショウタバルが6馬身差で圧勝した毎日杯のそれを0秒6も上回っている。
ご存知の通り、ステラヴェローチェは次の大阪杯(G1)で0秒1差の4着に好走。同馬は過去に重賞を2つ制しており、皐月賞とダービーで3着に入った実績も持っている古豪だ。
斤量やペースの違いもあっただろうが、ウエストナウは初出走だったにもかかわらず、そんな古馬G1級ステラヴェローチェと同じ勝ち時計をマークしたのだから、称賛されて然るべき内容だったといっていいだろう。
その初戦から中3週で臨む今回も、追い切りでは抜群の動きを見せており、一度使われたことで状態はさらに上向いたようだ。初戦と同じく能力を発揮することができれば、たとえG2であっても、あっさりと通過点にして不思議ではない。
「皐月賞を無敗で制したジャスティンミラノや、同じく無傷の3連勝中であるシックスペンスなど、今年はキズナの当たり年だと言われていることもあり、ウエストナウも不気味な1頭ですね。
特にウエストナウはノースヒルズ出身で佐々木厩舎の管理馬というキズナとの共通点もあります。父は2013年に京都新聞杯とダービーの両レースを制しましたが、11年ぶりの再現に期待したいですね」(競馬誌ライター)
初戦から距離は2ハロン延びるが、父も制しているように苦にはしないだろう。鞍上は新コンビとなる横山典弘騎手が務めることに決まった。ここで再び圧勝を演じるようだと、本番でもただの伏兵以上に怖い存在となるかもしれない。