開業2ヶ月の福永祐一厩舎に早くも絶賛の嵐! 大スランプのダノンスコーピオンが復活した“マジック”の裏側
G1馬ダノンスコーピオンが復活の兆し!
11日の京王杯スプリングC(G2)はウインマーベルが優勝。2着にはレッドモンレーヴが入り、昨年の1、2着が入れ替わる結果となった。
そんな中、勝ち馬には及ばなかったものの4着に好走、昨年11着から大きく着順を上げたのがダノンスコーピオン(牡5歳、栗東・福永祐一厩舎)だ。
同馬は言わずと知れた一昨年のNHKマイルC(G1)覇者。同年秋の富士S(G2)でも古馬に交じり3着に好走。マイル路線で主役級の活躍が期待された1頭である。
だが、続くマイルCS(G1)で11着に惨敗。香港マイル(G1)6着を挟み、ここ5戦連続で二桁着順が続いていた。見せ場すらほとんど作れずに敗退していた近走をみると、さすがに復活は厳しいと思っていたファンも少なくなかったか。
ただ、この日は最後の直線でメンバー2位の上がり3ハロン33秒1の末脚を披露。久々にこの馬らしい切れ味をみせ、1年半ぶりの掲示板を確保した。騎乗した戸崎圭太騎手もレース後「復調の兆しを感じましたし、これを使ってもう一段上がる雰囲気があります」と話したのだから、そう遠くないうちにNHKマイルC以来となる白星も期待できそうだ。
また、この結果を受けて称賛を浴びることとなったのが、同馬を手掛ける福永調教師だ。
福永祐一厩舎、早くも絶賛の嵐!
今年3月に開業したばかりの福永厩舎。ダノンスコーピオンは今春で定年を迎えた安田隆行厩舎から引き継いだ形だが、実は同馬は福永師が開業以前から調教で跨り、感触を確かめてきた1頭である。
開業してからも約2ヶ月のあいだ手元に置き、二人三脚でじっくりと調整を進めてきた。最終追い切りにも福永師自らが騎乗し「このパフォーマンスを競馬で発揮できれば」とレースに送り出すと、不振にあえいでいたG1ホースに久々の好走をもたらしたのである。
また厩舎初の重賞勝利こそ逃したが、福永厩舎はこの日終了時点で5勝を挙げており、勝率17.2%は先月の皐月賞(G1)を勝ったジャスティンミラノを管理する名門・友道康夫厩舎を上回る全国6位。連対率34.5%も先日のNHKマイルC(G1)をジャンタルマンタルで制した高野友和厩舎などを凌ぐ同3位であり、3着内率48.3%はJRA調教師のなかで中内田充正師に次ぐ全国2位だ。
新人トレーナー離れした数字を残している上、スランプに陥っていたダノンスコーピオンにも復活の兆しももたらした。SNSやネットの掲示板などには「福永厩舎すごすぎるわ」「数年後に間違いなく天下取ってる」「これは預けたいと思うオーナーが続出するだろう」「来月から始まる新馬戦でも楽しみ」といった絶賛の声が多数寄せられている。
ジョッキー時代も三冠馬コントレイルの主戦を務めるなど、トップクラスの実績を残した福永師。同馬を管理していた矢作芳人調教師に「コントレイルを含めて彼とは一緒に馬をつくってきたが、そのときから調教師向きだと感じていた」とまで言わしめるなど、福永師は日本を代表するトップトレーナーからも調教師としての素質に太鼓判を押されていた。
厩舎開業からまだ2ヶ月と少ししか経っていないが、早くもその評判に違わぬ実力をみせている福永師。近い将来「福永厩舎だから無条件で買い」という日がやってきても不思議ではない。