関東の大ベテランが「205戦ぶり」の祝杯! ヴィクトリアマイルで「G1史上最高配当」を演出した稀代の穴男、JRA通算1000勝の大記録へ
江田照男騎手が205戦ぶりの祝杯!
19日の新潟7Rに行われた4歳以上1勝クラスは、9番人気の穴馬トーセンニック(牡6歳、美浦・田村康仁厩舎)が優勝。騎乗していたのは今年35年目の大ベテラン、江田照男騎手だ。
江田照騎手といえば、1998年の日経賞(G2)を単勝355.7倍の超人気薄テンジンショウグンで優勝。単勝257.5倍のダイタクヤマトで逃げ切った2000年のスプリンターズS(G1)や、18番人気ミナレットに騎乗した2015年のヴィクトリアマイル(G1)では3着に入りG1最高配当の三連単2070万5810円を演出するなど、数々の大波乱を起こしてきた穴男である。
ただ、2020年に年間27勝を挙げたのを最後に、近年の成績は右肩下がり。一昨年8勝、昨年4勝、そして今年はここまで未勝利だった。昨年8月の勝利を最後に白星から遠ざかっており、中央では204連敗を喫していたのだが、久々の祝杯となった。
「ダート1200mで争われた一戦で、江田照騎手とトーセンニックのコンビは道中4番手付近を追走。4コーナーで上手く内を回り最後の直線に向くと、ゴール寸前で測ったように差し切るという、ベテランらしい巧みな手綱さばきでしたね。
レース後も『早めに先頭に立つとやめる面があるので、前に目標を置いてじっくり運びました』と冷静なコメントを残していた同騎手ですが、なんせ中央では約9ヶ月ぶりの白星。内心ではホッとされたのではないかと思います」(競馬誌ライター)
JRA通算1000勝まであと「34」
穴男らしく9番人気の伏兵とともに、長いトンネルから脱出となった江田照騎手。またこの勝利でJRA通算966勝となり、大台の1000勝まであと「34」と迫っている。
今年35年目を迎えている関東の大ベテラン52歳の江田照騎手だが、今から10年前の2014年、『週プレNEWS』(集英社)から取材を受けた際には「こんなに長く続けてると思わなかったよね」と、ジョッキー人生について話していた。
さらに「同じ世代でほかの現役の騎手はみんな1000勝とかしてるけど、僕みたいのもまだまだ需要があるんで、自然体でいいパフォーマンスを見せたいと思ってます」と語っていたが、それから約10年の月日が経ち、自身も着実に1000勝へ近づいてきた。
近年は勝ち星のペースが落ちているものの、かつては年間60勝以上をマークしており腕は確か。年上である武豊騎手や横山典弘騎手、柴田善臣騎手もまだまだ勝利を積み重ねている。
SNSやネット上でもかねてから「通算1000勝頑張ってほしい!」といった激励の言葉や「江田照男の通算1000勝達成を応援する会の一員です」と名乗るファンもいるなど、大記録達成を後押しする声は多い。大台到達を目指すとともに、これからも穴馬とのコンビでファンを魅了してほしい。