【日本ダービー(G1)予想】ジャスティンミラノ2冠は困難と判断。実績の割に人気がないコスモキュランダがダービー馬に名乗りを上げる
3歳クラシック頂上決戦・日本ダービーを切る!
今回は3歳馬7906頭の頂点を決する競馬の祭典、日本ダービー(G1)を予想していく。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データから見ていこう。
皐月賞 23頭
青葉賞 3頭
京都新聞杯 2頭
毎日杯、プリンシパルS(当時OP) 各1頭
となっている。圧倒的に前走皐月賞組が強い。ここからの巻き返し例も多いが、二ケタ着順からの巻き返しは過去10年で1例もないので、そこは注意。別路線組はどんぐりの背比べといったところか。青葉賞組からの勝ち馬は未だ出ていない一方、京都新聞杯組や毎日杯(G3)からは勝ち馬が出ているので、皐月賞組との力関係の見極めが重要になってくるのは例年の通りと思われる。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-3-2-3
2番人気 1-3-1-5
3番人気 3-2-1-4
4~6番人気 3-2-1-24
7~9番人気 0-0-2-28
10番人気以下 1-0-3-84
となっている。1番人気は信用できそうだが、2番人気と3番人気は今ひとつといった数字。近5年に絞ると1番人気、2番人気がともに3頭ずつ、3番人気が2頭と大差ない。上位人気だけで決まったのが2例、上位人気がすべて飛んだのは1例あり、概ね上位人気が人気通り来る方が多い。また、近5年は中穴クラスよりも人気がない馬の激走が目立つので、手広く見ていった方が良さそうだ。
◎はコスモキュランダ
これを踏まえて「◎」は、なぜか人気がなさそうな6番コスモキュランダとする。
3走前に2着だった1勝クラスから前走皐月賞(G1)までの3戦が2000mで、いずれも2分を切る好タイムで連対を果たしている。前走とて2着に敗れはしたものの、勝ったジャスティンミラノとタイム差なしでレコード決着している。
「前走がまた一段と馬を強くさせた。弥生賞がフロックでないことも証明できた」と陣営。「中間も順調で、イメージ通りに良化。左回りも距離延長もまったく問題ない」と自信ありげなコメントが出ている。
昨年のダービー馬タスティエーラも弥生賞ディープインパクト記念(G2・以下弥生賞)の勝ちや皐月賞2着がフロック視されたのか、4番人気とさほど人気しないところで、大本命のソールオリエンスを完封して勝利した。その印象と被るところがある。
今は共同通信杯(G3)が皐月賞と直結し、弥生賞がダービーと直結しがちな傾向がある。現に過去10年で見ても弥生賞の連対馬からワンアンドオンリー(14年)、マカヒキ(16年)、ワグネリアン(18年)、ドウデュース(22年)、そして昨年のタスティエーラと5頭のダービー馬を輩出している。
今年は注目馬が多いだけに、皐月賞2着の実績も薄れて見えるのだろうが、この馬のポテンシャルはその程度のものではないと見ている。今年も再び弥生賞組が、ということで自信の◎を打ちたい。
〇はシンエンペラー
「○」も一時の注目が薄れつつある13番シンエンペラーを挙げる。
ホープフルS(G1)や弥生賞の予想で◎を打ち続け、裏切られ続けている。そこが残念でならないのだが、皐月賞では初の馬券圏外に飛んで「ここまでか」という思いを持ったファンも多いことだろう。
陣営からは「前走後放牧を挟んだ。1週前の動きは素晴らしく、直前の微調整も予定通り」と調整に自信。「状態が戻りきらなかった前走に比べて、本来の弾み方が戻ってきている。血統的にも兄が仏ダービーを勝った時は高速馬場だったので、適性はあると見ている」と自信をちらつかせている。
◎コスモキュランダの項でも触れたが、この馬も弥生賞を通って2着に入った馬。もちろん弥生賞組としてダービー馬に名乗りを上げる資格は十分にある。強いて言うならマル外のダービー制覇が未だかつてないことくらいか。それを覆す絶好のチャンスではないかと考えて○とした。
▲はレガレイラ
「▲」は人気サイドだが、2番レガレイラを推す。
ホープフルSからの休み明けで挑んだ皐月賞は1番人気に推されながら、6着と掲示板も確保できず敗れてしまった。しかし、その内容は直線後方から追い込んで、上がり最速の33.9秒をマークした優秀なもの。着差もそれなりについてしまったが、内容自体は悪くなかった。
陣営も「前走は高速馬場だった上に、ゲートが遅いので流れに乗り損なったのが痛かった。それでも脚を使っていて、悲観する内容ではない」と評価。「今回はクセを知っているC.ルメール騎手に戻り、本来の力を発揮できるのではないか。ゲートが遅い分、東京コースの方が競馬しやすく、何とか巻き返したい」と力のこもったコメントを出している。
陣営も言うように、ルメール騎手が戻ってきたのが大きいだろう。先週も桜花賞(G1)で大敗したチェルヴィニアをオークス(G1)で勝利に導いている。それも込みでウオッカ以来、17年ぶりの牝馬ダービー馬が登場する可能性は十分に秘めている。
「△」は青葉賞組から11番シュガークンと、皐月賞馬15番ジャスティンミラノとする。
シュガークンは青葉賞(G2)の予想で◎を打って、それに応えてくれたあたり、やはり良血の底力を感じさせてくれるものだった。
だが、陣営のトーンはそれほど高いものではなく「3連勝でダービーに間に合った。再度の長距離輸送があるので、テンションを考えてキープする調整で落ち着いている」「皐月賞組とは現時点で差があるが、着実に成長してくれれば」とダービーより先を見据えているようなコメント。
青葉賞組は同距離同コースで開催されるレースながら、ダービーでは今ひとつ成績が残せていない現実はあるのだが、それでもこの馬なら3着までなら十分あり得ると考えている。鞍上もダービー6勝の武豊騎手。上手く立ち回って、馬券圏内に食い込むくらいはあるだろうと見込んでの押さえである。
そしてジャスティンミラノだが、前走は1000m57.5秒の超ハイペースを乗り切ってレコード勝ちを収めている。上がりタイムこそ平凡で、後ろから来たコスモキュランダにクビ差まで詰められているが、それを凌いでの勝利だけにポテンシャルの高さは疑いようがない。
陣営からは「前走、勝負どころの手応えが一瞬怪しかったが、最後は力強く伸びてくれた」と高評価。「跳びが大きく、ゆったり走るので本来は東京の方が合っているし、距離延長も問題がない。馬の力さえ発揮できれば」と無敗2冠に自信を見せている。
確かに前走は強い勝ち方だったので、ここでも人気になるのは当然。無敗2冠を見たいと思うファンも多いことだろう。ダービー3勝の友道康夫厩舎というのも心強い。さらに言えば父はキズナ、祖父はディープインパクトで、勝てば親子3代同一G1制覇の偉業も達成できる。その昔、メジロマックイーンがメジロティターン、メジロアサマと親子3代の天皇賞制覇を成し遂げているが、父と祖父は天皇賞・秋の覇者だった。
無敗2冠を達成すれば、このようなロマンもオマケについてくるのだが、今回はメンバーが揃った。その上、過去10年の共同通信杯連対馬でダービーを勝ったのはドゥラメンテ(15年)1頭のみ。とはいえ、皐月賞馬がダービーで好走した例は多数あるので、切るわけにもいかず。押さえまで、というところだ。
ということで、今回は2番、6番、11番、13番、15番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。ジャスティンミラノとレガレイラは人気しているが、残り3頭は思ったより人気がなさそうである。この辺が好走すると配当も面白いことになるのではないか。