【函館記念(G3)展望】タイトルホルダー、ヴェラアズール、ベラジオオペラに続け!「未来のG1馬?」チャックネイトが充実の4歳馬を迎え撃つ!
14日の函館競馬場では、名物レース・函館記念(G3)が開催される。夏のハンデ戦ということもあって荒れるイメージのあるレースだが、昨年は1番人気のローシャムパークが人気に応えて1→4→2番人気と堅い決着。果たして、今年はどうなるだろうか。さっそく展望していく。
今年も例年通りの混戦模様だが、チャックネイト(セン6歳、美浦・堀宣行厩舎)の安定感は、ここでも大きな武器になるはずだ。
距離が長過ぎた前走の天皇賞・春(G1)こそ14着と大きく崩れたが、それまでは2000mから2600mを7戦して【3.0.4.0】と複勝率100%。函館は3歳の7月に初勝利を挙げた舞台で、それ以来の出走となるがイメージは良いはずだ。
光るのが重賞初制覇となった前々走のアメリカジョッキークラブC(G2)だ。あいにくの不良馬場となったが、好位から力強く抜け出しての勝利。G2大将のボッケリーニをハナ差で退けている。
実は、これまで本馬を重賞2着に退けた馬はタイトルホルダー、ヴェラアズール、そしてベラジオオペラが後のG1を勝利している。そういう意味では重馬場の鬼ブローザホーンが勝利した宝塚記念(G1)でこそ見たかった馬だが、ここで賞金を加算して秋の大舞台に駒を進めてほしい1頭だ。
サヴォーナ(牡4歳、栗東・中竹和也厩舎)はそろそろ重賞タイトルが欲しい。
昨春のクラシックには間に合わなかったが、秋の神戸新聞杯(G2)で10番人気の低評価を覆しての2着。サトノグランツにアタマ差の接戦を演じ、続く菊花賞(G1)でも5着に善戦。世代のトップクラスに駆け上がり、一気に全国区となった。
さらなる飛躍が求められる今年は日経新春杯(G2)から始動。同世代のライバル・サトノグランツに先着したものの、こちらも2着。勝ったのがブローザホーンだけに、やや相手が悪かったか。
その後は阪神大賞典(G2)→天皇賞・春とステイヤー路線を歩むが、どちらも6着止まり。今回の2000mは未勝利を勝って、京成杯(G3)で4着に敗れて以来の挑戦となるが、十分に守備範囲といえるだろう。
同じ4歳世代ではトップナイフ(牡4歳、栗東・昆貢厩舎)にも注目しておきたい。
京都2歳S(G3)、ホープフルS(G1)で共に2着に好走するなど、早くから頭角を現していたトップナイフ。期待されたクラシックでは結果が出なかったが、昨夏の札幌記念(G2)で2着と実力を証明している。
レースでは早めに動き、4コーナーで先頭に立つ強気の競馬。最後はプログノーシスにちぎられたがソーヴァリアント、ダノンベルーガ、ヒシイグアス、ジャックドールといった強豪を抑えての2着は価値が高い。今回は昨年の菊花賞以来の久々となるが、高い洋芝適性は札幌記念で証明済み。この馬もここで重賞タイトルが欲しい1頭だろう。
もう1頭の4歳馬ホウオウビスケッツ(牡4歳、美浦・奥村武厩舎)は、目下の充実ぶりからも展開のカギを握りそうな存在だ。
昨春のスプリングS(G2)でベラジオオペラの2着に好走したホウオウビスケッツ。残念ながらクラシックの壁は厚かったが、古馬になってマイル路線を歩むようになったことで頭角を現した。
始動戦の東京新聞杯(G3)で8番人気ながら3着に好走すると、続く東風S(L)でも3着。特筆すべきは前走の巴賞(OP)だろう。距離が1800mに延びたものの勢いよくハナに立つと、そのまま逃げ切り。後続を翻弄し、最後は2馬身差をつける完勝だった。
函館記念とも関連性の深い巴賞を勝った意味は大きい。距離はさらに200m延びることになるが、スムーズにハナに立てれば前走の再現もできるはずだ。
他にも今年の中山金杯(G3)を勝ったリカンカブール(牡5歳、栗東・田中克典厩舎)、一昨年の函館記念の覇者ハヤヤッコ(牡8歳、美浦・国枝栄厩舎)、京成杯の勝ち馬オニャンコポン(牡5歳、美浦・小島茂之厩舎)などの重賞馬も侮れない。グランディア(セン5歳、栗東・中内田充正厩舎)、エンパイアウエスト(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)といった上がり馬はハンデを味方につけたいところだろう。重賞でも十分に通用するはずだ。
想定12頭ながら、骨太な面々が集った感のある今年の函館記念。レースは14日(日)の15時45分に発走予定だ。