日本競馬が今年の米ブリーダーズCに「大攻勢」をかける理由
今年の米ブリーダーズCに日本馬が多数出走予定
12月の香港国際競走、そして4月のドバイワードカップデー。近年、日本競馬の国際化の象徴として、日本馬が毎年のように大活躍していることはご存知の通りだ。
その上で今年、日本競馬の新たなターゲットとなっているのが、11月に開催される米国競馬の祭典ブリーダーズCだ。
2021年、ラヴズオンリーユーがブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)を、さらにマルシュロレーヌがブリーダーズCディスタフ(G1)制覇したことは、日本競馬と米国競馬の間に大きな架け橋が掛かったことを意味している。
それも、この2頭は昨年のドバイシーマクラシック(G1)制したイクイノックスのように、決して日本最強という存在ではなかった。あの歴史的勝利から3年、今秋は日本の競馬関係者が「ならば我も」と大攻勢をかけることになりそうだ。
まずブリーダーズCクラシック(G1)に出走を予定しているフォーエバーヤング(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、今春のケンタッキーダービー(G1)で大接戦の3着。現地でも最有力視されている1頭だ。
昨年の2着馬デルマソトガケ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)も当然チャンスのある1頭で、昨年は5着に終わったウシュバテソーロ(牡7歳、美浦・高木登厩舎)も今年のドバイワードC(G1)で2着と能力に陰りはない。
また、ブリーダーズCターフ(G1)に昨年の3着馬シャフリヤール、ブリーダーズCディスタフに7戦無敗のオーサムリザルト、ブリーダーズCマイル(G1)に今春のヴィクトリアマイル(G1)の覇者テンハッピーローズ、ブリーダーズCフィリー&メアターフに今週の新潟記念(G3)へ出走するアリスヴェリテ、ブリーダーズCスプリント(G1)にドンフランキーがそれぞれ出走の意思を示すなど、今年のブリーダーズCは多くのレースで日本馬の雄姿を見ることができそうだ。
日本の大攻勢には理由が
「これだけ多くの日本馬が参戦の意思を示しているのは、今年のブリーダーズCがデルマー競馬場で開催されることも大きいと思います。
デルマー競馬場はカリフォルニア州、つまりアメリカの西海岸にあるため、日本から直行便のあるロサンゼルスから車で2、3時間程度と輸送に時間が掛からないことは大きなメリット。実際にラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが勝った2021年もデルマー競馬場での開催でした」(競馬記者)
これだけ多くの有力馬が出走の意欲を見せているが、時期的にはまだ8月。今後、11月の本番までに新たな挑戦者がまだまだ増えるかもしれない。