【チャンピオンズC(G1)展望】絶対王者レモンポップVS無敗ヤマニンウルス!? 最初で最後の頂上決戦は実現するのか

レモンポップ 撮影:Ruriko.I

来月12月1日、中京競馬場ではダート王決定戦チャンピオンズC(G1、ダート1800m)が開催される。昨年はレモンポップがフェブラリーS(G1)とのW制覇で統一ダート王に輝いた。


1年経っても絶対王者の牙城は揺るがない。レモンポップ(牡6歳、美浦・田中博康厩舎)が連覇で有終の美を飾るか。

昨年のチャンピオンズCではキャリア最長となる1800mに挑戦。大外枠に入ったこともあって、1番人気ながら当時のキャリア最大となる単勝オッズ3.8倍は、多くのファンの心配の表れに他ならなかった。

しかし、スタートから飛ばして果敢にハナを切ったレモンポップは、そんな不安をあざ笑うかのような強気の競馬。結局、一度も先頭を譲ることなくあっさりと逃げ切ってしまった。「距離も枠も不利な状況も、この馬には関係なかった。馬が強かった」とは、レース後の坂井瑠星騎手の言葉だ。

あれから1年。今年の始動戦サウジC(G1)こそ12着に大敗したが、さきたま杯(G1)、南部杯(G1)と2つのビッグタイトルを追加して中京の大舞台に戻ってきたレモンポップは、今回がラストランになる。国内で敗れたのは、2022年11月の武蔵野S(G3)2着が最後。トランセンド以来、史上2頭目の連覇を飾って引退に花を添えたい。


ダート界のライバルとして、絶対王者を“伝説”のまま終わらせるわけにはいかない。ウィルソンテソーロ(牡5歳、美浦・小手川準厩舎)が昨年の逆転を狙っている。

昨年のチャンピオンズCでファンを最も驚かせたのが、12番人気の低評価を覆して2着に好走したウィルソンテソーロだった。

その後、年末の東京大賞典(G1)でも2着に入って激走がフロックでなかったことを証明すると、今秋のJBCクラシック(G1)で待望のG1初制覇。今年はG1ホースとして再びレモンポップに挑戦状を叩きつけることになる。

前走のJBCクラシックは好位から早めに逃げ馬に競り掛ける、まるでレモンポップを意識したような競馬。ハナを奪い切ると、最後はメイショウハリオに4馬身差をつける圧勝劇だった。昨年の1馬身1/4差をどこまで詰められるか、堂々の政権交代を行って王者に引導を渡したい。鞍上は主戦の川田将雅騎手になりそうだ。


多くの強豪が出走を予定している今年のチャンピオンズCだが、中でもヤマニンウルス(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は大きな注目を集める1頭だ。

今年7月のプロキオンS(G3)をデビューから無敗の5連勝で制したヤマニンウルス。主戦が武豊騎手ということもあって、ダート界を賑わせる新星の注目度はG1馬以上といえるだろう。今回は、そんな超がつく大物がいよいよ頂点に挑戦するというわけだ。

だが、問題になってくるが獲得賞金だ。現在、チャンピオンズCにはフルゲート16頭に対して20頭がエントリー。いくら実力があっても重賞1勝馬に過ぎないヤマニンウルスの出走は他力本願な状況にある。また、武豊騎手は出走が確実視されるサンライズジパングに騎乗予定だ。

レースが1週間後に迫り、すでにラムジェットの回避などが発表されているが、最初で最後の絶対王者レモンポップVS超新星ヤマニンウルスは実現するのだろうか。


他にも、みやこS(G3)を勝って勢いに乗る3歳馬サンライズジパング、南部杯でレモンポップに迫ったペプチドナイル、シリウスS(G3)を勝ったハギノアレグリアス、重賞連勝中のクラウンプライドなどがエントリー。まさにダート界の挑戦を決めるに相応しい強豪が集った。

GJ 編集部

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