武豊騎手が交流重賞「完全制覇」まで、あと5つ。地方競馬で”神騎乗”を繰り返す天才のカウントダウンに「最後」まで残りそうなのは……
この残った5つの交流重賞だが、大まかに3つに分類することができる。2000mのマーキュリーCを除くと、 短距離戦となる東京スプリントとオーバルスプリント、そして牝馬限定戦となるレディスプレリュードとJBCレディスクラシックというわけだ。
これは逆に考えると、今後、武豊騎手が交流重賞をコンプリートするために必要な「パートナーのタイプ」が見えるということだ。
まず、東京スプリントとオーバルスプリントを勝つために「1400mまでこなせる、優れたスピード能力を持ったダートスプリンター」がほしいところだが、これはすぐに思い当たる馬がいる。16日に武豊騎手の手綱でサマーチャンピオンを勝ったラインシュナイダーだ。
サマーチャンピオンのレース後、武豊騎手が「1400mがベスト。これからもっと強くなる」と語っていたように、今の充実ぶりなら、さらなる重賞タイトルを積み上げる可能性は充分だ。実際に本馬は、次走に来月20日のオーバルスプリントを予定しており、コンプリートに向けて早くも一歩近付くチャンスが巡ってきそうだ。
その一方で”巡り会わせ”が必要そうなのが、牝馬限定戦のレディスプレリュードとJBCレディスクラシックだ。
レディスプレリュードが2004年から、JBCレディスクラシックに至っては2011年からの創設と歴史が浅いので、武豊騎手はまだ勝っていないのも仕方がない。最大の問題は、今の武豊騎手にタイトルを狙えそうな「強力な牝馬ダート馬」のお手馬がいないことだ。
昨年は年間で交流重賞9勝と大活躍した武豊騎手だが、牝馬限定戦での勝利はエンプレス杯(G2)を勝ったアムールブリエのみ。しかし、このアウォーディーの妹は昨年一杯で現役を引退している。
したがって、牝馬ダート界の頂点に立てるような名牝との出会いがほしいところ。だが、逆に述べれば、かつてはラヴェリータやメイショウバトラーとのコンビで重賞を勝ちまくったように、一度「これ」という名牝と出会えばあっさり達成されるはずだ。開催時期や条件的にも、一気に連勝できる可能性も充分にある。
最後にマーキュリーCだが、実は意外にもこのレースこそ「最も厄介な壁」となる可能性がある。