サトノダイヤモンドの”楽勝”フォワ賞(G2)で爆死決定!? 何故、日本は凱旋門賞に「24年間」も「勝ち馬なし」の前哨戦を使うのか

※画像:有馬記念 『競馬つらつら』より

 いよいよ、サトノダイヤモンドによる凱旋門賞(仏G1)挑戦がスタートする。まずは10日にフランス・シャンティイ競馬場で行われるフォワ賞(G2)から、本番に挑むことになりそうだ。

 すでにマスコミ各社で大々的に報道され、「本番へ向け、負けられない戦い」と”必勝ムード”さえ漂っているサトノダイヤモンド。現地の大手ブックメーカーでも単勝1.8倍の抜けた1番人気に支持されており、日本競馬の悲願となる凱旋門賞制覇のためにも「ここを勝たなければ到底、本番は期待できない」という論調が多勢を締めている。

 確かに、凱旋門賞で日本馬の最先着となる2着は1999年のエルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012、13年のオルフェーヴルと4度あるが、そのすべてがフォワ賞を経由して本番に向かっているだけに、サトノダイヤモンドに期待が集まるのも当然だ。

 しかし、一歩引いて考察すると、本番となる凱旋門賞を勝つために「前哨戦として、本当にフォワ賞が適切なのだろうか」という疑問は、どうしても拭えない。

 1969年のスピードシンボリによる初挑戦から、通算[0.4.0.16](ディープインパクトは3着失格で着外扱い)という凱旋門賞挑戦の歴史がある日本。最大の特徴は、かつてのエルコンドルパサーや2度目のオルフェーヴルなどを除いた多くの場合、凱旋門賞挑戦が初の海外遠征となるケースが圧倒的に多いことだ。

 そのため以前はぶっつけ本番で挑むことも多く、尽く跳ね返された歴史を経て、現在では前哨戦を叩いて本馬に挑むことが常識になりつつある。

 しかし、その選択肢は基本的に3歳馬ならニエル賞(G2)、古馬ならフォワ賞というほぼ一択となっているのは何故だろうか。

 最大の理由は、本番と同じコースと距離を経験できるからに他ならない。そこには実際のレースだけでなく、現地でのレースまでの流れや調整方法など、馬だけでなくスタッフなど「人」が得られる情報も多い。ぶっつけで本番に挑むことと比較して、安心感が大きく違ってくるからだろう。

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