ローズS(G2)ファンディーナ皐月賞敗因は「強過ぎた」から? 新たなる”伝説”の幕開けも陣営の「弱気コメント」に再び暗雲……
アルアインの勝利というよりも、ファンディーナの敗北が大きく取り沙汰された今年の皐月賞。本命馬の見る影もない敗戦に、多くのメディアやネット上のファンが様々な敗因を追求した。
その中でも特に目立ったのは、陣営の「方針」に対する疑問だ。
まず、陣営はファンディーナのデビュー当初「春の目標」をどこに置いていたのだろうか。というのも、やはり皐月賞惨敗の一因として、デビュー戦から減り続けた馬体重を含め「状態面の不足」は無視できない問題だったからだ。皐月賞挑戦は「強行軍」であったのではないかと指摘する声も大きい。
実際に2歳の夏、少なくとも秋にはデビューした馬が大半を占めた皐月賞の出走メンバーの中で、本馬が最も遅いデビューだった。
したがって年明けのデビュー、そして1800mのレースを使ったことからも、陣営は当初ファンディーナの3歳春の大目標をオークスに定めていた可能性は高い。無論、あくまでも「目標」だが、単勝1.8倍でデビュー戦を迎えていることからも、本馬が高い素質を秘めた存在であることはデビュー前から判明していた。
しかし、馬なりのまま2着馬を9馬身突き放す圧巻のレースぶりで、陣営の目標は”上方修正”された。その証拠に、デビュー戦直後に締め切られたクラシック登録において本馬は「日本ダービー」の登録を行っている。なお、今年の3歳牝馬の中で日本ダービーの第2登録を行っていたのは2歳女王のソウルスターリングと、桜花賞馬レーヌミノル、そして本馬だけである。
しかし、それは裏を返せば、当初の陣営に日本ダービー挑戦は可能性としてあったが、少なくとも「皐月賞参戦のプランはなかった」ということだ。
ちなみに陣営からファンディーナの皐月賞参戦が発表されたのは、フラワーC(G3)制覇から5日も経ち、アルアインが毎日杯を勝った3月25日だった。「毎日杯を勝てば」という条件付きだったアルアインに対して、ファンディーナの皐月賞参戦は唐突に決まった感が強かった。陣営はその後、出走へ向けた追加登録料を支払っている。