武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
「ゴールインの時点できっちりガソリンを使い尽くした競馬。馬も人間も『やりきった』充実感がありました」と”自身”のレコードでもあるタイムを更新した武豊騎手も満足気。「名実共に日本のエースとなったキタサンブラックに、今後も声援をお願いします」との言葉通り、キタサンブラックと武豊が名実共に”競馬の中心”に上り詰めた瞬間だった。
しかし、レースはあくまで勝負の世界。勝つことがあれば、同時にその何倍も負けることがあるのが競馬の厳しいところだ。そういった意味で、武豊騎手の6月は「試練の月」となった。
日本ダービーも終わり、いよいよグランプリ宝塚記念(G1)を残すのみとなった春競馬。史上初の「春古馬三冠」の栄誉が懸かったキタサンブラックと武豊騎手は、圧倒的なファン投票の結果が物語るように断然の主役だった。
天皇賞・春でサトノダイヤモンドとの頂上決戦を制し、もはや日本で倒すべき相手はいなくなったキタサンブラック。すでに秋の凱旋門賞挑戦も囁かれており、ディープインパクトの時と同様、宝塚記念は現役最強馬が世界へ飛び立つ”壮行レース”の様相を呈していた。
最大のライバル・サトノダイヤモンドが早々に回避を表明したこともあって、皆がキタサンブラックの「勝ち方」だけを注目していたのだ。
しかし、結果は11頭立ての9着。3歳春の日本ダービーで大敗して以来の約2年間、1度も3着以内から脱落したことがなかった超堅実派が、嘘のように大敗した。最後の直線で失速する姿に多くの人々が我が目を疑い、レース後の阪神競馬場は異様などよめきに包まれた。
また、レース後にはキタサンブラックの北島三郎オーナーが国内専念を発表。武豊騎手自身が「積年の夢」と掲げ続ける凱旋門賞制覇は、またもお預けとなってしまった。
実はキタサンブラックのキャリア20戦の中で、この宝塚記念が最も人気を集めたレースだった。単勝オッズは1.4倍、引退レースとなった有馬記念でさえ1.9倍だったのだから、如何に絶対的な存在として見られていたのかが窺える。
しかし、だからこそ敗れた時の”逆風”もまた凄まじいものがあった。メディアはこぞって様々な敗因分析を掻き立て、批判は清水久詞調教師や武豊騎手といった陣営にも及んだ。その5日後に武豊騎手が公式サイトで綴ったのが以下の通りだ。