オークス(G1)ラッキーライラックは「地雷」血統!?「根拠なき」スタミナ種牡馬オルフェーヴルに流れる”ステイゴールド”の系譜とは
しかし、結局のところ本馬が「長距離向き」と考えられているのは、管理する松永幹夫調教師が「お父さんのオルフェーヴルがダービーで強い勝ち方をしたので、2400mで良さが出ると思います」と話している通り、父が三冠馬オルフェーヴルという「血統面」が最も大きな根拠になっているからだろう。
無論、今年の3歳馬が初年度となるオルフェーヴル産駒の「距離適性」に関する正確なところは、まだ判明していない。早速、エポカドーロが皐月賞(G1)を勝ったことで、少なくとも「2000mほど距離があった方が良さそう」と推測されている程度だ。
ちなみにオルフェーヴル産駒は、まだ2400mはおろか2200mでさえ1勝も上げていない。これで「2000m以下の種牡馬」と断ずるつもりは毛頭ないが、「2000m以上で良さが出る種牡馬」と言い切るのは明らかに早計なはずだ。
しかし、その一方でオルフェーヴルの「父ステイゴールド」は数々の成功例を送り出した大種牡馬である。
三冠を制した本馬の他に、菊花賞と天皇賞・春などG1を勝ちまくったゴールドシップ、天皇賞・春を連覇したフェノーメノ、今年の天皇賞・春を制したレインボーラインなど数多くの超一流ステイヤーを送り出した日本でも屈指のスタミナ血統馬だ。
つまり現段階で、まだほとんどデータのないオルフェーヴルが、すでに「距離が伸びて良い種牡馬」と考えられているのは、結局のところ父ステイゴールドの影響が極めて大きいということになるだろう。
しかし、ここには大きな「落とし穴」があることを忘れてはならない。
確かに、ステイゴールドは上記した活躍馬の他にもオルフェーヴルの兄ドリームジャーニーや、歴代最強障害馬との呼び声も高いオジュウチョウサンなど、数多くスタミナ豊富な名馬を送り出している。
だが、これらがすべて「牡馬」であることには注意が必要だ。