武豊オジュウチョウサン「勝ったら」どうなる?”平成最強ジャンパー”が史上初の「平地・障害G1」ダブル達成へ、最も「現実的」な選択肢は

 週末7日に七夕を迎える今週の競馬で、最もファンから熱い視線を集めているのは日曜日の七夕賞でもプロキオンSでもなく、土曜日に行われる「500万下」だろう。

 7日に福島競馬場で行われる開成山特別(500万下)には、現在G1・5勝を含む障害レース9連勝中のオジュウチョウサン(牡7歳、美浦・和田正一郎厩舎)が登場。それも鞍上は、競馬界のレジェンド武豊である。

 それもオーナーの長山尚義氏(名義は(株)チョウサン)を始め、オジュウチョウサン陣営は単なる調整ではなく、本気で平地勝利……その先にある「平地G1制覇」を見据えているだけに、掛け値なしの”ガチ勝負”。土曜の福島は、異様なムードに包まれそうだ。

 それにしても、本当に通用するのだろうか。

「平成最強ジャンパー」として、すでに「史上2頭目の障害殿堂馬入りも濃厚」と言われているオジュウチョウサンだが、平地は2戦して未勝利。陣営は「あの時とは馬が違う」と言い張り、長山オーナーの「ファンの期待に応えたい」という”漢気”は大いに称賛されるべきだが、当然厳し現実が待っている可能性もある。

「これまで平地と障害の両方でG1を勝った馬はいませんが、単純に障害馬が平地を走る機会が少ないということもあります。オジュウチョウサンのような最優秀障害馬を受賞するクラスでは、2007年に受賞したメルシーエイタイムが障害G1を勝った後も、叩き台として何度も平地のレースに出走しています。ですが、すべて500万下ながら、いずれも勝てませんでした。

ただ、メルシーエイタイムの場合はあくまで障害レースに向けた叩き台で、オジュウチョウサンのような本気度はありません。逆に1996年の最優秀障害馬ポレールは、障害転向後に京都大賞典(G2)に出走して、勝ったシルクジャスティスから0.6秒差の6着に健闘。平地の重賞勝ち馬にも先着するなど、平地でも戦えるスピードを見せていました。

正直、平地で通用するのかは『馬による』ので判断できませんが、少なくとも障害馬としてのオジュウチョウサンは、メルシーエイタイムやポレールよりも上。常識的には厳しいという声もありますが、もしかすると……もしかするかもしれませんね」(競馬記者)

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