JRA「三冠達成」アーモンドアイは過去の三冠牝馬より上なのか。ジェンティルドンナとの比較は……
■桜花賞
アーモンドアイ 0.3秒
スティルインラブ 0.2秒
アパパネ 0.1秒
ジェンティルドンナ 0.1秒
■オークス
アーモンドアイ 0.3秒
スティルインラブ 0.2秒
アパパネ 0.0秒
ジェンティルドンナ 0.8秒
■秋華賞
アーモンドアイ 0.2秒
スティルインラブ 0.1秒
アパパネ 0.1秒
ジェンティルドンナ 0.0秒
■合計
アーモンドアイ 0.8秒
スティルインラブ 0.5秒
アパパネ 0.2秒
ジェンティルドンナ 0.9秒
基本的には大外一気の追い込み馬だけに派手な着差はないが、どの条件で走っても必ず1馬身以上の差がある。他の3頭は僅差のレースが多いだけに、これは評価したいところだ。
以上の成績比較から見たアーモンドアイの実力は、現時点でジェンティルドンナと同等もしくはそれ以上といって過言ではない。勝ち時計、上がり3ハロン、着差どれも文句なしだ。さらにデビューから6戦してすべてのレースで上がり最速を記録しているが、これは他の3頭ではできなかったもの。牡馬と比較しても、デビューから引退まですべての国内レースで上がり最速だったディープインパクトと同等レベル。このまま引退まで上がり最速を続ければ、歴史的快挙となるであろう。
次に同馬の成長力と将来性はどうだろうか。血統的背景から考えると、父ロードカナロアが本格化したのは、初めてG1レースを勝利した4歳秋以降で、5歳暮れの引退レース(香港スプリントを圧勝)までまったく衰えを感じさせなかった。父の父キングカメハメハ産駒は成長力に富んでおり、この系統に早熟性はない。また母フサイチパンドラは古馬になって札幌記念を勝利しているように、サンデーサイレンス産駒らしい成長力を見せた。血統的背景からアーモンドアイの早熟説は考えにくい。
アーモンドアイは現時点で完成度が高いが、レース数も少ないので肉体的ダメージは少なそう。前走の秋華賞後に脚を引きずる仕草を見せたようだが、翌日には回復していたとのこと。国枝厩舎は無理強いする厩舎ではなく、慎重なローテーションを組むだろうし、アパパネを管理していた経験もある。またノーザンファームは、5歳の暮れにジェンティルドンナを有馬記念に勝たせている。牝馬のノウハウには長けており、アーモンドアイにとってベストな戦略を組んでいくはずだ。
アーモンドアイはすでに歴史的名牝と比較して彼女らを凌駕する実績を残しているが、今後もさらに期待できるといっていいだろう。