今年の競馬に見たディープインパクト産駒の「進化」 数々の弱点克服の裏に「人」と「馬」が織り成す『人馬一体』の理念が
「2010年にディープインパクト初年度産駒が走り始めてから今年で6年。日々研磨を重ねている生産者の方々も、ようやくディープインパクト産駒の傾向を把握し、馴致の仕方を確立しつつあるようです。簡単に言えば、幼少期からパワーを付けるために普段より坂路を増やしたり、ディープインパクト産駒という”一つの傾向”に沿ったベストの調整方法が見つかったということでしょう。また、それは生産側だけでなく各調教師にもディープインパクト産駒の扱い方といった面では、数年前よりも明らかに進化の跡が見られます。いつ頃、牧場から降ろせばいいのか、どういった調整が合うのか、どのようなレースに使うのが最も適しているのか。そういった指針が明確化されつつあるようです」(競馬記者)
つまり、ここにきてのディープインパクト産駒の”進化”は、血統など馬質はもちろん、それ以上に競馬へ携わる人間がディープインパクト産駒の扱い方を確立したということなのだろう。
競馬ではよく騎手と競走馬で「人馬一体」という言葉が用いられるが、競馬に関わる人々が馬によって進化することもまた「人馬一体」といえるのかもしれない。