目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か

西塚洸二騎手 撮影:Ruriko.I

 今村聖奈騎手、角田大河騎手らの活躍が目立つ2022年のデビュー組。競馬の開催期間中に控室や調整ルーム内でスマートフォンを不正利用した事実が判明し、対象となった若手騎手6人に対し、30日間の騎乗停止処分が科されたことは記憶に新しい。

 そんな同期のトラブルをよそに存在感を発揮していたのが、関東の西塚洸二騎手だ。昨年は10勝に終わったが、今年は5月の開催が終了した時点で、すでに7勝と躍進。人気薄で穴を開けるケースも増え、関係者からの評価も着実に上がりつつある。

 成績向上を後押しした最大の理由は環境の変化だろう。美浦の鹿戸雄一厩舎に所属している西塚騎手だが、4月から栗東の大御所である藤原英昭師が面倒を見ており、エージェントに関しても、有力馬を多数抱える小原靖博氏が担当する好待遇だ。西塚騎手の騎乗技術が買われての“栗東留学”となった訳だが、現在も所属は鹿戸厩舎のままだった。

 そして、この件についての話し合いが、師匠の鹿戸師との間で行われたようだが、どうやら物別れに終わったらしいのだ。

目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!?

「栗東をベースにしてから約2ヶ月経過しましたが、再び鹿戸厩舎に戻るのか、このまま栗東で腰を据えるのか、本人の意思確認をするための話し合いでしたが、両者の間に埋めがたい溝が生まれたようです。

厩舎サイドは所属騎手ということもあり、これまでと同じく朝の調教からメニューを組んでいましたが、西塚騎手は現れませんでした。本人に連絡を取ると、『話し合いが行われる昼から顔を出せばいいと思っていた』と弁明。美浦に戻って、いきなりの行き違いとなりました。

また、肝心の話し合いでも、西塚騎手が栗東の居心地の良さについて説明がされたようですが、デビュー前から面倒を見てもらった相手を遠回しに下げるような物言いは、配慮に欠けた態度に感じられます。さすがに厩舎の関係者もあまりいい気分はしなかったでしょう」(競馬記者)

 しかも、給料は所属している鹿戸厩舎のままで発生していると考えられる上に、「栗東は居心地がいい、美浦は環境が悪い」と聞かされたのでは、穏便な話し合いになるはずもなかった。

 これには厩舎サイドも手を焼いたようで、「最後にお世話になったスタッフに挨拶をしていきなさい」と伝えて話し合いは早々に終わった様子。おそらく関係修復が難しいと悟ったのだろう。

 ところが、この“造反行為”にはまだ続きがあったというのだから、ただ事ではない。

「昼過ぎに厩舎スタッフが出勤したものの、いつまで経っても当の本人が来ない。また勘違いでもあったのかと連絡を取ったところ、なんと待ち切れずに栗東に帰っていたことが判明。これには厩舎スタッフも怒りを通り越して呆れ果てていました」(同)

 本人のためを思って栗東に送り出した厩舎サイドとしても、遠回しに美浦を悪く言われた挙句、ここまで自分勝手な行動を取られては、開いた口が塞がらなかっただろう。ニュージーランド出身の帰国子女ということもあり、文化や風習の違いに感覚のズレがあったのかもしれない。ウインカーネリアンを送り出す安田記念(G1)を前にした鹿戸厩舎だが、愛弟子との間に思わぬ格好で遺恨が残ってしまった。

 デビュー時の新人騎手インタビューでは、座右の銘(モットー)は「謙虚」と語っていた西塚騎手。これから続くであろう藤原英師やエージェントとの関係でも「謙虚」な態度が求められそうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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