【緊急企画】「千載一遇のチャンス」マカヒキが14着大敗……凱旋門賞で「何」があったのか。今年の日本ダービー馬は「本当に弱いのか」徹底検証
記者:先に「小さな誤算」からお話しいただけますか。
下田:まず、馬群の中に入れてもらえなかったことですね。でもそれは、舞台が凱旋門賞ですし、アウェーのマカヒキとコンビを組む以上、ルメール騎手もある程度覚悟はしていたと思います。ただ……。
記者:「大きな誤算」があったと。
下田:そうですね。ルメール騎手はレース後の敗因として「普段リラックスして乗りやすい馬ですが、レースで引っ掛かった」と話しています。これは裏を返せば、ルメール騎手は日本を含めた今までの経験から、マカヒキを「レースで馬を前に置かなくても、折り合わせることができる」と考えていた可能性が高いということです。
記者:しかし、実際はそうでなかった。
下田:はい。ただ、これには一つ「明確な原因」があります。
記者:というと……。
下田:マカヒキの戦績を振り返ってもらえばわかりますが、ルメール騎手が騎乗したのは2戦目の若駒Sと弥生賞、そして前走のニエル賞です。言い換えると「全開のマカヒキ」に騎乗した経験がありません。
記者:確かに、マカヒキの仕上がり状態がMAXに近かった皐月賞と日本ダービーでは、川田騎手が騎乗していますからね。
下田:はい。競走馬がより高い段階で仕上がるということは、ただ身体的に研ぎ澄まされるだけでなく、同時に精神的にもレースに向けてテンションが上がっていくのが必然です。それはマカヒキも例外ではなく、実際に皐月賞もダービーも川田騎手はきっちりと馬の後ろに付けて折り合いをつけています。