怪物ファンディーナ「最大」の不安……牝馬69年ぶりの皐月賞制覇、史上初の牡馬3冠への「絶対条件」とは【徹底考察・皐月賞編】
≪結論≫
率直に述べて、現時点でのファンディーナが史上最強クラスの領域にいることは、ほぼ間違いない。このまま順調に成長すれば、まず複数のG1を手にする大器といえるだろう。
だが、それとファンディーナが今回の皐月賞を勝てるのかは別問題だ。
皐月賞での走りを考察する上で、最も有効な判断材料となるのは前走のフラワーCだ。本番と同じ中山競馬場で行われ、かつ前日には同距離同舞台のトライアル・スプリングSが行われたことからも比較がしやすい。
『考察』で述べた通り、ともに中山の芝1800mで行われたスプリングSとフラワーCには、わずか0.3秒のタイム差しかない。ちなみにスプリングSの時計も過去10年で4番目とまずまずのレベルといえるだけに、決して遅かったわけではない。
ただし、その内容はまったく異なっている。下記に両レースの200m毎の通過タイムを記載した。
スプリングS(G2)
12.6 – 24.3 – 36.4 – 48.6 – 「60.3」 – 72.1 – 「84.2」 – 96.0 – 108.4
12.6 – 24.5 – 36.5 – 48.8 – 「61.1」 – 73.4 – 「85.8」 – 97.0 – 108.7
フラワーC(G3)
注目すべきはまず1000m通過タイムで、この時点でフラワーCの方が0.8秒遅い。さらに1400m通過タイムでは1.6秒もの大差がついている。つまり、フラワーCとスプリングSは最終的にわずか0.3秒差でありながら「まったく質の異なるレース」となっているということだ。下記がそのラップタイムとなる。