「ポテンシャルは非常に高い」川田将雅も能力を絶賛! ディープインパクト産駒「最後の怪物候補」が衝撃の5馬身差V
19日の阪神9Rに行われた山陽特別(2勝クラス)は、単勝1.1倍の断トツ人気に推されたダノンティンパニー(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)が2着馬に5馬身差をつけて圧勝した。
そのオッズに違わぬ圧倒的な強さだった。9頭で争われた芝1400mの一戦。ダノンティンパニーと鞍上の川田将雅騎手は五分のスタートを切ったものの、無理せず中団からレースを進める。
4コーナーで外を回してポジションを押し上ると、最後の直線は持ったまま手応えで先頭へ。抜け出してからも鞍上が軽く気合をつける程度だったが、後続をちぎり捨ててしまった。
「勝負どころの4コーナーでは一瞬にして先頭集団に取り付くなど、このクラスではちょっとモノが違い過ぎましたね。道中のペースが上がる上のクラスに入った方がより競馬もしやすくなるでしょうし、これからが本当に楽しみな1頭ですよ」(競馬誌ライター)
「ポテンシャルは非常に高い」川田将雅騎手も能力を絶賛!
これで地方時代を合わせて通算成績を6戦5勝としたダノンティンパニーには、川田騎手もレース後「ポテンシャルは非常に高い馬」と太鼓判を押した。
ただ「身体的に弱いところがあるので、徐々に育っていってくれれば」と続けた通り、ここまでのキャリアが決して順風満帆だったわけではない。
ディープインパクト産駒のダノンティンパニーは、母が英国G1馬のライトニングパールで、近親にはG1・2勝をあげたサトノクラウンなどがいる良血。2018年のセレクトセールにおいて1億6200万円(税込)の高価格でオーナーのダノックスに購入された。
大きな期待を背負って一旦は栗東に入厩したものの、中央でのデビューが叶わず3歳夏に中央登録を抹消されてしまう。その後は地方競馬へと移籍し、初陣を4歳1月の園田競馬場で迎えることになる。
だが、ここで2着馬に大差をつけて初戦Vを飾ると、続く2戦でも共に7馬身差の圧勝劇。中央再転入の条件を満たしたことで栗東の中内田厩舎に入ると、JRA初戦となった昨年10月の1勝クラスを2馬身半差で快勝。東京・芝1600mの勝ちタイム1分32秒9は、昨年行われた東京芝マイルの1勝クラス全15レースのなかで2位の好時計だった。
続く前走の2勝クラスは2着に惜敗したが、勝ったのが次の3勝クラスも難なく突破するルージュステリアだっただけに相手も悪かったか。それでも本馬は勝ち馬の上がりを0秒5も上回る末脚でハナ差まで詰め寄っていただけに、今回は断トツの支持を受けることになったのも当然だろう。
結果は先述の通り5馬身差の大楽勝。レース後にはSNSやネットの掲示板などを中心に「これは相当な器なんじゃないか」「秋にはG1で見られそう」など絶賛の声が相次いだ。
父が2019年に他界していることもあって「ディープインパクト産駒、最後の怪物候補現る」といった声もあるほどだ。
また、2着のタマモダイジョッキに騎乗していた松山弘平騎手も「勝った馬は強かったと思います」とのコメントを残している。
「地方からの出戻りで活躍している馬といえば、最近では昨年のJBCスプリント(G1)を制したダンシングプリンスなどが挙げられますね。本馬もここからどれだけ中央でのし上がるのか、注目したいところです」(同)
今回は1400mだったが、過去に快勝しているように距離はマイルまでなら十分に守備範囲だろう。短距離界に現れた異色の経歴を持つディープインパクト産駒に今後も期待だ。