「負ける気がしない」異例の強気発言も掲示板止まり…マリアエレーナの「消極的騎乗」に安藤勝己氏が苦言
2日に行われた大阪杯(G1)は、武豊騎手のジャックドールが優勝。好スタートからハナを奪うと、前半1000mを58秒9で通過する絶妙の逃げを展開。最後はスターズオンアースの追い上げをハナ差で封じ込んだ。
管理する藤岡健一調教師によると、今後は天皇賞・秋(G1)が目標になるようだが、6月の宝塚記念(G1)も選択肢の1つに入っているとのこと。早ければ約2ヶ月後に再び逃走劇を見られることになりそうだ。
その一方で、レース前から調教師が「負ける気がしない」など異例の強気発言をしていたことでも話題を集めた6番人気のマリアエレーナ(牝5歳、栗東・吉田直弘厩舎)は、健闘むなしく5着に敗れた。
同馬は前哨戦となる先月12日の金鯱賞(G2)で2番人気に推されたものの、最後の直線で前が壁になる不運もあり8着に敗退。騎乗していた松山弘平騎手はレース後、「この馬の能力を出せず申し訳ありませんでした」と謝罪の言葉を残している。
大阪杯で松山騎手はコンビで重賞3勝をあげているヒシイグアスに騎乗。そのため、マリアエレーナの新パートナーにはキャリア17年目のダービージョッキー・浜中俊騎手が抜擢された。
同騎手は調教で本馬に跨ると「しっかりした、いい馬です」と話すなど好感触を得た様子。また『中日スポーツ』に連載している自身のコラムには「好位からうまく立ち回って、上位に食い込む競馬をイメージしています」と、レースプランについてつづっていた。
しかし、レースでは1枠2番から抜群のスタートを切ったものの、ノースブリッジら先行勢にあっさり前を譲ると、道中は前から10番手付近のインコースを追走。最後の直線では内目をしぶとく伸びてきたが、5着を確保するのが精一杯だった。
「スタートが決まっていただけに、もう少し積極的にポジションを取りに行ってもよかったかもしれませんね。もともと先行して押し切るのがマリアエレーナのスタイルですし、浜中騎手が戦前に話していたような好位からのレースを期待していたファンも多かったと思われます」(競馬誌ライター)
「消極的騎乗」に安藤勝己氏が苦言
特に今回の大阪杯は2着に差してきたスターズオンアース以外は、前々にいた馬たちで決まったこともあってか、レース後にはSNSやネットの掲示板などでは、一部のファンから「もう少し積極的に乗ってほしかった」「せっかく好スタート切ったのに」など、不満を感じさせる意見も見られた。
また、元JRAの安藤勝己氏も自身のTwitterに「勿体なかったのはマリアエレーナ。主張して位置取ってれば圏内に加われとる(原文ママ)」と投稿するなど、やや消極的にも映ったレース運びに苦言を呈している。
ただ、レース後のコメントで浜中騎手が「内側の馬場がボコボコしていてスピードに乗れなかった」と振り返っていたように、行きたくても行けなかった理由もあるようだ。マリアエレーナは420キロ台の小柄な牝馬でもあるだけに、少し荒れ気味だった内側を走らざるを得なかったことも裏目に出てしまったかもしれない。
それでも昨年の最優秀4歳以上牝馬であるジェラルディーナにも先着を果たしているのだから、力があることは間違いない。次戦こそは能力全開に期待したいところだ。