【阪神牝馬S(G2)予想】イズジョーノキセキ、ウインシャーロットは切り!条件戦からでも好走可能なこのレースならではの穴馬をチョイス

 今回はヴィクトリアマイル(G1)に向けた牝馬限定重賞、阪神牝馬S(G2)を予想していく。

 先週の振り返り。ダービー卿CT(G3)は▲ゾンニッヒが来たまではいいが、勝ったのはノーマークのインダストリア、2着は切ったジャスティンカフェ。◎ウイングレイテストは5着とハズレ。インダストリアは2走前の3勝クラス勝ちをもっと重要視すべきだったか。

 大阪杯(G1)はもっと酷い有様で、切ったジャックドールとスターズオンアースが1着2着、ノーマークのダノンザキッドが3着とかすりもしない予想になってしまった。「関東馬が勝てない」のは確かに勝てなかったが、2着に来たのだから二冠牝馬の看板は伊達じゃなかった。ダノンザキッドは前情報が冴えなかったので検討しなかったのだが、昨年のマイルCS(G1)といい、相性がよくない。

 予想に戻ろう。

 まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。

京都牝馬S 9頭
愛知杯 4頭
有馬記念、東京新聞杯、うずしおS(3勝クラス) 各2頭
ジャパンC、京都金杯、中山牝馬S、阪急杯 各1頭
オープン特別 3頭
条件特別(3勝クラス) 4頭

 となっている。

 レース間隔が適度な京都牝馬S(G3)からの参戦が最多。ついでもう少しレース間隔が広い愛知杯(G3)からの参戦になるが、いずれにせよ牝馬限定重賞組が多い。G2格付けの割には前走条件戦でも好走例があり、前走内容に注意しておきたいところ。

 続いて人気順の成績を見てみよう。

1番人気 3-2-1-4
2番人気 3-1-1-5
3番人気 0-2-1-7
4~6番人気 3-2-2-23
7~9番人気 1-1-4-24
10番人気以下 0-2-1-48

 となっている。

 1番人気と2番人気は微妙なライン。近5年に絞ってもどちらも3頭しか来ていない。ただ、昨年、一昨年はどちらも来ているので「人気して当然」という馬なら信用してみるのもアリか。数字だけ見ると中穴が健闘しているのだが、近5年は8番人気以下が6頭、うち10番人気以下が3頭と人気薄が跳梁跋扈する傾向になりつつある。

ピンハイ

 これを踏まえて人気しそうだが「◎」は8番ピンハイとする。

 前走は東京新聞杯(G3)。内枠から控えて中団につけて追走。ペースが落ちないまま直線に向いて逃げ馬が前で粘る中、追い上げるも力尽きて8着に敗れた。

 昨年、新馬勝ちからいきなりチューリップ賞(G2)に挑戦し、2着に入って桜花賞の優先出走権を獲得。桜花賞では人気薄ながら5着と大健闘し、オークス(G1)にも出走。ここでも4着と好走してみせた。

 前走は今年初戦のレースで、着順こそ8着だったが着差は0.5秒と僅差。同期のナミュールやプレサージュリフトの後塵を拝してしまったが、ただでさえ410kg台の小柄な牝馬が406kgと馬体を大きく減らしていたあたり、2走前のエリザベス女王杯(G1)で重馬場を走った疲れが残っていたと考えられる。

 今回はその馬体がどれほど戻っているかが鍵になるだろうが、実績を考えると阪神コースは相性が良く、重賞未勝利ながらも上記のチューリップ賞2着、桜花賞5着と阪神マイル戦で健闘している。

 持ちタイムも1分32秒台と申し分なく、前残りしにくいこのレースの傾向を考えると中団から差しに行く脚質も向きと言えよう。繰り返しになるが、当日馬体がどれほど戻っているかによるものの、実績を買って本命としたい。

「○」もそこそこ人気しそうだが、10番アンドヴァラナウトを挙げる。

 前走は愛知杯。好スタートから中団より後ろ目につけて追走。重馬場ということもあって超スローで流れる中、徐々にポジションを下げて4コーナーでほぼ最後方から直線に向くが、伸びを欠いて9着に敗れている。

 前走の愛知杯、2走前のエリザベス女王杯と人気がなかったところでの凡走だったが、この2戦はどちらも重馬場。3走前の府中牝馬S(G2)では良馬場で0.2秒差の3着に好走しており、2着はG1・3勝馬のソダシだっただけに真の実力はこの辺りでわかる。

 昨年のこのレースで2着に入っていることや、距離を問わず阪神コースは好相性で、6走して着外になったのは上記のエリザベス女王杯だけ。その中には秋華賞(G1)の3着なども含まれており、良馬場なら実力を発揮できる下地はある。

 前2走は後方からの競馬になったが、本来は中団よりやや後ろあたりから差してくるのが好走パターン。実力を買われて再度人気しそうな雰囲気ではあるが、「◎」同様脚質と阪神との相性を考えれば押さえるべきだろう。

「▲」は穴っぽいところで4番フラーズダルムを推す。

 前走は洛陽S(L)。スタートから控えて後方待機策を選択。緩めのペースで流れる中、最後方のまま直線へ。前が粘る中、上がり最速の脚で追い込むも届かず4着に終わった。

 昨秋に3勝クラスを勝ち上がってオープン入り。ターコイズS(G3)に駒を進めるも後方のまま大敗。そこからの前走で馬券圏内こそ逃したが掲示板は確保してみせた。この馬も阪神マイルに関してはそれなりに好成績が残っており、全4勝のうち2勝は阪神マイルでのもの。

 前走騎乗した坂井瑠星騎手とは特に好走が多く、継続騎乗であればもっと印を上げてもいいくらいなのだが、今回はテン乗りの北村友一騎手。決して乗れない騎手ではなく、クロノジェネシスやレシステンシアをはじめ、G1勝利も多い。ただ、今年は今ひとつ波に乗れていないのは確か。そこに一抹の懸念はあるが、日経賞(G2)やフィリーズレビュー(G2)で穴馬を持ってきている。

「△」は穴馬2番コスタボニータと人気の軸になるであろう7番ルージュスティリアの2頭とする。

 コスタボニータの前走は初音S(3勝クラス)で、逃げ馬を前に見る3番手につけて追走、直線で逃げ馬が脱落する中、粘りきって勝利した。

 前走の勝利でオープン入りしたばかりの馬。未勝利から2勝クラスまでは連勝で勝ち上がったものの、3勝クラスでやや足踏みしていた。前走は初の1800m戦だったが、ここまではマイルだけを使われてきており、阪神のマイルでは4走して2回連に絡んでいる。残り2回も掲示板は確保しているので相性は悪くないのだろう。

 条件戦で55kgは経験しており、斤量も問題はないはず。鞍上はテン乗りで鮫島克駿騎手に乗り替わるが、鮫島駿騎手は昨年の勝利騎手。昨年も9番人気の人気薄を勝利に導いているので、人気のない今回も再び持ってくる可能性に懸けてみたい。

 ルージュスティリアの前走は長篠S(3勝クラス)で、先行争いを譲って2番手から追走。直線に入って逃げ馬が脱落する中、前で上がり最速の脚を使って突き抜け、2馬身半差をつけて勝利した。

 新馬戦を勝ったあとチューリップ賞を使って6着、さらにオークス出走をかけてフローラS(G2)に出走し、1番人気に推されながら最下位に大敗とクラシックに縁はなかったが、秋は自己条件に戻って連勝、今年初戦の前走も勝って3連勝でここに臨んでいる。

 3連勝のこの勢いと、意外に牝馬戦に縁がないように見える川田将雅騎手が鞍上だが、このレースでは過去10年で2勝3着2回と好相性。人気の軸になるのは間違いないが、2年続けて上位人気が来ているので、好材料も含めて外すに外せないということで押さえておく。

 人気どころでは11番イズジョーノキセキと3番ウインシャーロットの2頭を切る。

 イズジョーノキセキは3走前の府中牝馬Sでソダシを撃破し、前走の有馬記念(G1)では人気薄ながら4着まで食い込んでみせた。前走有馬記念からのローテーションは好走歴があり、脚質的にもこのレース向きではある。トータルで見るとやや買いかぶられている感はあるが、人気しそうなのもわからないでもない。

 だが、昨年の府中牝馬Sの予想でもノーマークで痛い目に遭っている上、先週のダービー卿CTでもこれが原因で外しているわけだが、今回もエピファネイア産駒ということで外しておく。別にエピファネイアに恨みがあるわけではないが、昨年重賞1勝がこの馬の府中牝馬Sだけで、その他には勝ち星がなく2着、3着がちらほらあるだけ。2着、3着なら可能性はなきにしもあらずだが、実績なら他馬とそう変わるものでもない。

 ウインシャーロットはターコイズS、京都牝馬Sと重賞を連続2着しており、近5走で連を外していない魅力がある。何もなければ本線でもいいくらいだと思っている。だが、こちらは脚質が逃げ・先行。このレースでも逃げ・先行で残った例がないわけではないが、多いのはやはり差し・追い込み。逃げ粘れるかと言えば可能性はないわけではないだろうが、ルージュスティリアも同脚質だけに、勢いで考えるならルージュスティリアの方を取りたい。

 ということで、今回は2番、4番、7番、8番、10番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。別に大阪杯で狙い過ぎて痛い目に遭ったからというわけではないが、結果手堅い予想になってしまった。フラーズダルムやコスタボニータあたりが激走すると面白い結果になりそうだ。

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