不振が続くダノックスに救世主!? 天皇賞・春(G1)の裏で新ダート王が誕生か

撮影:Ruriko.I

 近年の競馬界で存在感を見せているダノックスだが、最近はやや不振に陥っている。年始から今月23日までの勝率も9%と、過去5年の同時期で最低を記録した。重賞成績においても、22年のNHKマイルC(G1)をダノンスコーピオンで制した後、1年近く勝利から遠ざかっている。

 クラシック戦線でも苦戦は続き、昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)で2着だったダノンタッチダウンが皐月賞(G1)で最下位に沈み、青葉賞(G2)を目前にダノンザタイガーの春全休が発表されるなど、ツキにも見放されつつある。

 香港のクイーンエリザベス2世C(G1)に出走するダノンザキッドが孤軍奮闘しているものの、苦しい状況であることに変わりはない。

不振が続くダノックスに救世主!?

 そんなダノックスに立ち込める暗雲を晴らすかもしれない存在が、今週のブリリアントS(L)に参戦するダノンラスター(セ7歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 本馬は父がディープインパクト、母がプリンセスオブシルマーという血統。2歳時にJ.モレイラ騎手を鞍上に迎え、東京芝2000mの新馬戦で勝利。幸先の良いスタートを切ったが、その後は勝ち星に恵まれず、ケガなども重なり、3年近く勝利から遠ざかってしまった。

 状況を打開したいダノンラスターは、21年6月にダートへ転向。転向初戦こそ3着となったものの、2戦目の1勝クラスを突破。2勝クラスや3勝クラスでも、好走を繰り返しながら順調に勝ち上がり、今年2月の金蹄S(3勝クラス)を勝利。ついにオープンクラスへの昇級を果たした。

 東京ダート2100mでは2勝を挙げるなど、7戦して(2-2-1-2)と非常に好相性であることも魅力。末脚の安定感も全てのレースで上がり3位以内を記録するほどに成長している。

 ダート転向後の快進撃を支えたのは“剛腕ジョッキー”たちだ。新馬戦で勝利したモレイラ騎手と、金蹄Sで再度コンビを組み勝利を挙げているほか、C.ルメール騎手や、R.ムーア騎手など、主に海外の剛腕ジョッキーとのコンビで好成績を残している。このことからも“追える騎手”と相性が良いと分かる。

田辺裕信騎手 撮影:Ruriko.I

 今回コンビを組む田辺裕信騎手も、剛腕で知られる騎手である。その剛腕ぶりは「魅せろ剛腕」という横断幕が掲げられるほど。末脚勝負も得意としており、このコースの勝ち鞍は、半数以上後方からの差し切る競馬で挙げている。

 昨年、この時期に行われた横浜S(3勝クラス)を勝利したウシュバテソーロは、その後世界最高峰のダートレースであるドバイワールドC(G1)をも制した。その他にも、クイーン賞(G3)を制したテリオスベルや、名古屋グランプリ(G2)を制したヴェルテックスなど、東京ダート2100mの勝ち馬から重賞で活躍する馬が多数出ている。

 近年は出世コースとして注目されるコースだけに、ブリリアントSを勝利すれば、ダノンラスターにも新たなダート王として期待される可能性もグッと拡がるだろう。

 不振を極めるダノックスに現れた遅咲きの救世主、ダノンラスター。その名の通り、栄光へ導く存在となることができるのだろうか。

GJ 編集部

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